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クリープ現象が起こる理由と仕組み・速度・追突事故の危険性

更新日:2024年01月17日

意外と知らない人が多い?クリープ現象の起こる仕組み、クリープ現象での危険性や注意など細かくまとめてみました。自動車を運転していく上で今まで何気なく操作してた危険な方法、役に立つ知識など紹介していますので参考にしてください。

クリープ現象が起こる理由と仕組み・速度・追突事故の危険性

クリープ現象が起こる理由と仕組み

始めに、クリープ現象が起きる理由と仕組みについて、しっかりとした知識を身に着けておくことは、これから長い時間運転していく中でとても大切なことです。実際に教習所で簡単なクリープ現象の学科を受け、合格し免許を取得されている方が多いことでしょう。では、なぜクリープ現象が起きますかと聞かれたら答えられる人は少ないでしょう。

車の動きを知っているのと知らないのとでは、自動車を安全に操作しているつもりでも実は何にも知らなかった、何てこともあります。クリープ現象を理解し明日から自信を持った安全運転をするために覚えておきましょう。

クリープ現象はAT車(オートマ)だけ

クリープ現象はAT車(オートマ)のみに発生します。AT車(オートマ)のみに発生する理由は、AT車のトルクコンバーターの動力の伝達に「液体」を使用しているのでAT車(オートマ)のみに発生します。トルクコンバーターとは簡単に言うと動力伝達機です。

MT車(マニュアル)はどうでしょう。マニュアルの動力の伝達には機械式が使われており、自由自在に動力の伝達を切り離す事ができます。AT車(オートマ)では液体を使用しているので、完全に動力の伝達を切り離す事ができません。

水道の蛇口から流れる水を切り離そうとしても、完全に切り離す事ができない認識です。
完全に切り離す事ができないので、多少の動力が伝わってしまいます。これがクリープ現象としてAT車(オートマ)特有の車の動きになります。

クリープ現象が起きてしまうレバーの位置

AT車(オートマ)に乗られている方は、車が動こうとするセレクトレバーの位置がどこなのかを把握していることでしょう。AT車(オートマ)はアイドリング状態である時には、セレクトレバーがN(ニュートラル)P(パーキング)以外の位置にレバーを合わせると、ブレーキが掛かっていない状態であるので、クリープ現象として車が前に進もうとします。

アクセルを踏まずとも、自動車は動力が伝達されていて、フットブレーキを掛けていないと自動車はクリープ現象を起こし動いてしまいます。多くの人は信号待ちなどの時にフットブレーキだけで止まっている事でしょう。ブレーキを離せば動いてしまう少し危険な感じもします。

クリープ現象の速度

クリープ現象で車の速度はメーカーによって違いもあります。アクセルを踏まずともクリープ現象だけで車の速度は「時速5km~10km/h」でます。徐行程度の速度ですが、油断は禁物です。

こちらの「時速5km~10km/h」は目安です。さらに車によってアイドリング時の回転数によって、クリープ現象で動く車の速度にも違いが出てきます。

速度の違いはどこから?

クリープ現象での速度の出方は、アイドリング(アクセルを踏んでいない時の回転数)にて決まります。一般的に800~1000rpmです。自動車のエンジンによってもバラつきがあります。基本的に通常時の回転数から、10km/h前後です。アイドリング時の回転数が高いほど速度に違いが出てきます。

アイドリング時でも燃料を使うので、回転数が高いと感じられたら一度ディーラーで診断してもらう方が良いでしょう。クリープ現象での速度に影響もありますが、アイドリング時に回転数が高いと、自動車への負担によるトラブルが起こる可能性もあります。

信号待ちのレバーの位置による操作方法

信号で停止中の時に考えられるレバーの位置はD(ドライブ)N(ニュートラル)P(パーキング)に分かれます。それぞれの特性や役割を理解していないと、重大なトラブルを起こし兼ねないので、止まっている状態から発進する動作をする時にAT車(オートマ)は細心の注意を払わなければいけません。

これからそれぞれのメリットとデメリットを書いていきます。日頃自分が信号待ちの時にどこにレバーを置いているのかを思い直してみてください。それぞれに危険に繋がる可能性があるのを認識してもらうために細かく書いていきます。

D(ドライブ)での停止中

D(ドライブ)はAT車(オートマ)の運転手の多くの人が使われていることでしょう。クリープ現象によって、車両の前進を防ぐために、必ずフットブレーキを確実に踏み続けるのが原則になります。

こちらの方法は全国の教習所にて教わり、この方法での停止をしているドライバーは数多くいるでしょう。レバー操作をせずに、スムーズに車体を動かすことができる唯一の方法です。

スムーズに動かせるという事は危険もあります。足がフットブレーキから離れてしまった場合に、車が前進しようとするのでそれを阻止しようと、焦りから誤った行動をしてしまう方もいます。注意して落ち着いて操作をすればこの方法が一番ベストな方法でしょう。

N(ニュートラル)での停止

N(ニュートラル)での停止中は傾斜による車が前後する可能性が十分にあります。N(ニュートラル)の場合、基本はサイドブレーキだけで充分ですが、それだと不安な方はフットブレーキも併用して使用しています。

この方法は発進時にレバー操作があるため、すぐに発進をしないといけない場面になった時には少し対応が遅れる可能性があります。焦りから前進したいが別のギアに入れてしまうといった危険性も考えられます。

渋滞など中々前に進まない時にフットブレーキから足を離せるので、状況次第で使う場面もあります。長時間フットブレーキを踏んでいるのも、ドライバーへの負担が掛かります。そんな時はN(ニュートラル)に入れサイドブレーキを引いてる状態が一番安全な対策です。

P(パーキング)での停止

P(パーキング)での停止は車両が前に進む力を抑えるので、誤ってクリープ現象などで誤発進防止で安全性は優れています。サイドブレーキも併用して使用することで制動力が強く働き確実に車を止めておけます。

しかし、R(リバース)からD(ドライブ)までのレバーの距離もあるために、実はこの方法が一番危険となってきます。そして、停止動作をする時にP(パーキング)に入れるときにR(リバース)を経由してP(パーキング)にレバーを入れる事になるので、車体のバックランプが一瞬点灯します。

運転手側はその気がなくても、後続車は大変ヒヤッとする方法です。一見一番安全そうに見える停止中のP(パーキング)ですが、バックランプが一瞬点灯することで後続車へ恐怖感を煽りかねません。この方法は一般的に推奨はしていません。

信号の停止中どれがいいのか?

D(ドライブ)N(ニュートラル)P(パーキング)それぞれ3つのメリット、デメリットを書きましたが、それぞれ意見も分かれることでしょう。しかし運転しているのは自分だけではありません。教習所で推奨している最も良いとされる停止はD(ドライブ)+フットブレーキです。

どれもある程度の注意が必要になってきますが、D(ドライブ)+フットブレーキが一番リスクが低く最も安全な信号待ちでの停止方法です。N(ニュートラル)の停止中にも書きましたが、渋滞など中々車が前に進まないときはN(ニュートラル)を使用するなど、状況次第で使用も変わってくるので状況に応じた対応をしましょう。

P(パーキング)を使用する場面は主に「駐車」の時です。停止と駐車は大きく違います。信号待ちや渋滞の流れにいる時は「停止」です。P(パーキング)を停止の場面で使っている方は注意した方が良いでしょう。

クリープ現象による追突事故の危険性と注意点

クリープ現象による追突事故や注意点については近年多く報告されています。コンビニに突っ込むなど聞いたことはありませんか。アクセルとブレーキを間違えてしまったとの報告もあります。しかし、中にはクリープ現象が原因で事故を起こしてしまった例もあります。

慌てて車を止めようとした際に、アクセルとブレーキの間違いが多いです。信号待ちで前の車に追突してしまった。踏切で待ってる間に足を離してしまい電車に衝突してしまった。などいろいろな情報が多く報告されています。絶対に大丈夫と油断は禁物です。加害者側でなくても被害者になってしまうケースも多々あります。

後ろの車に追突されてびっくりした反動で足を離してしまい重大な事故に繋がってしまう可能性もあります。運転している以上、常に周りに危険が転がっていると気を配り運転するべきです。

危ない!

クリープ現象による危険個所は探せば探すほど出てきます。コンピューター制御で運転操作方法が手軽に行えるのがAT(オートマ)です。教習所でも実際にMT車(マニュアル)に比べると実技にかかる時間が短く免許も取りやすいのが現状です。クリープ現象について、教習所で教わりますが、大抵の人は卒業後暫くして忘れてしまいます。

普段の操作と同じだから。と自動車についての知識が無いと事故の確率も同時に上がってきます。運転者の意思とは無関係に機械は前に進もうという力が加われば前に進みます。それを制御するのは人間です。クリープ現象のみが事故の原因ではありませんが、軽い気持ちで運転するのは絶対にやめましょう。

自分の大事な人生を大きく変えてしまうことにもなりかねないので、車は道具であって凶器にもなる事を覚えておきましょう。

バック時のクリープ現象の操作方法

バック時のクリープ現象の操作は、運転者はバックの時は自然と注意をし、ゆっくり発進するので、危険度的には高くありません。ただし、サイド、後方確認を怠ると事故率はとても高くなります。

バック時は右足はブレーキに置き慎重な操作が求められます。勢いよくバック走行する人は全く居ないわけではないですが少ないでしょう。人は前方を見るより振り返りながら、かつサイドミラールームミラーを見ながらバック走行する事で注意の方向があちこちへと向きます。

視界も悪く小さな子供が飛び出してくる可能性だってあります。そんな中、勢いよくバック走行したら怖いと恐怖心から、自然にあちこちへ注意を払うので徐行での走行になります。

バック時のアクセル

バック走行時にアクセルは必要ありません。アクセルを踏むと速度が出すぎる場合があるので危険です。AT車(オートマ)の良い所がここで出てきます。クリープ現象での速度でバック走行は十分です。右足はブレーキの上に置き、すぐに止まれる準備をしておくと良いでしょう。

クリープ現象を上手く利用し、ルームミラー、サイドミラー、目視確認などで周りの状況把握が最も重要な場面となります。バック走行でのアクセル操作はとても危険です。注意を払う箇所がとても多くこれもまた、ブレーキとアクセルを間違えて操作をしてしまう原因と言えるでしょう。

クリープ現象のみで走行し、余裕をもって周囲確認できるように落ち着いた運転を心掛ける事でトラブルを防ぐ事にも繋がります。

クリープ現象で走行するときの燃費

気になる方もいるでしょう。クリープ現象で走行する時の燃費についてです。結果から言うと燃費は最大限にアップします。自動車の燃料を一番多く使う瞬間は、アクセルを踏み込んだ時に、踏んだ分だけ燃料が噴出します。AT車(オートマ)の動力伝達方式に「液体」を利用しているので僅かな力で前に進もうという力が働きます。

MT車(マニュアル)とは動力伝達が大きく異なり、AT車(オートマ)では動力伝達に液体を使用しているので、動力を完全に断ち切ることができない事から、クリープ現象が起こります。それを逆手に取ると、少ない力で前に進むので燃料をあまり使わずとも、前に進むので発進時はクリープ現象を最大限に活かすと燃費向上にも繋がります。

燃費重視の走行はだめ?

クリープ現象を活かした走行は燃費向上に繋がります。しかし、信号待ちから青になった時にクリープ現象を意識しすぎると、後続車にとても迷惑が掛かる事もあります。最近の車はクリープ現象を意識して走らずとも、昔に比べて性能面も向上しています。

カタログなど見ていると燃費20km/Lなど多くの車が発売されています。最新車でクリープ現象を意識しても昔ほど効果は得られません。クリープ現象を起こす機械の精度の向上などからドライバーへの負担を減らす技術も上がってきています。

燃費状況を知らせてくれるシステムもあります。燃費に囚われず、快適なドライブをサポートしてくれます。

クリープ現象を理解し楽しいカーライフを!

今回は自動車のクリープ現象が起こる仕組みや危険性を細かくまとめてみました。クリープ現象は便利な部分もありますが、同時にトラブルになり兼ねないという事も決して忘れてはいけません。運転は危険が多いので自然と法律上のルールも数えきれない程あります。

クリープ現象の起こる仕組みなどは機械的な事なので少し難しいですが、今回教習所では中々勉強できない事を中心に記事にしています。本記事をご参考に、今までの運転を振り返り安全にカーライフを送りましょう。

初回公開日:2018年02月13日

記載されている内容は2018年02月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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