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エネチャージの仕組み・マイルドハイブリッドとの違い・効果

更新日:2024年01月10日

エネチャージとテレビのコマーシャルで耳にすることがありますが、実際には何を指しているのでしょうか。車の燃費に関係しているのはわかりますが、あまりイメージできません。そこでこちらではエネチャージの仕組みや効果、搭載車について紹介していきます。

エネチャージの仕組み・マイルドハイブリッドとの違い・効果

エネチャージの仕組みと特徴について

テレビのコマーシャルなどを見ていると、たくさんの専門的な用語を耳にすることがあります。専門用語はなじみのない人であると、その意味が全くイメージすることが困難なことがあり、場合によっては困ることがあります。

特に企業の商品については、自社で名前を付けた技術などが多く、その単語の意味を知るためには、自分自身で情報収集する必要があります。

こういった企業由来の用語は自動車業界でもよくみられ、その一つして「エネチャージ」という言葉あります。これは自動車メーカのスズキが提唱した用語です。スズキの車に乗ることが多い場合には、耳にしたことがある単語ではありますが、実際にどういった意味やメカニズムが背景にあるのかについては、あまり理解されることが少ないです。

そこでこちらでは、スズキ社が提唱した「エネチャージ」という技術がどのようなものなのかについて概要を説明します。

エネチャージとは

それではまず、エネチャージとはいったいどういった技術のことを指すのでしょうか。エネチャージはいわゆる自動車の燃費を良くするための技術であるといえます。この技術では、少ないガソリンの量で車を走らせることを可能にすることから、お財布に優しいテクノロジーであるという特徴が第一に挙げられます。

エネチャージはどうして燃費が良くなるのか

エネチャージの技術の核になるのが、エンジン動作による電力の供給です。エネチャージ自体がエンジンの燃費を良くしているより、エンジンを効率的に電気供給に用いることで、エンジンの無駄を少なくするといった点が特徴です。

では一体どのようにして、エネチャージは効率的にエンジンを動かしているのでしょうか。それには、エンジンへのガソリン供給と車の電力生成方法を知る必要があります。

車の電力はどうやって供給されるのか

エネチャージの技術を知る上で欠かせない要素の一つになるのが、車への電力の供給方法についてです。普段我々は車に乗った時に、エンジンをかけると車の中の電気がつくのは御存知でしょう。

車への電力供給でカギになるのがガソリンです。多くの車には、ガソリンで発電をする「オルタネータ」と呼ばれる発電機が搭載されています。このオルタネータによって発電された電力が、車のバッテリーに供給されることによって車の電力使用が可能になります。

かつての車では、オルタネータによる常に自動車で発電が行われることが多く、バッテリーが過充電になってしまうことで、燃費が悪くなる原因となっています。近年では、自動車技術の発達により、オルタネータの発電量を抑えたり、発電を停止させる機能が搭載され、燃費が良くなったといわれています。

エネチャージではどのように電力を作っているか

先ほどの説明のとおり、車のオルタネーターは自動車における電力供給を担っている場所であることがわかりました。それでは、エネチャージではいったいどのように電力供給が行われているのでしょうか。

エネチャージでは、このオルタネータへのガソリン供給を上手くコントロールすることで、車への電力供給の効率を良くし、結果的に燃費の向上につなげてるといえるでしょう。

エネチャージによる電力供給の特徴

エネチャージの場合には、普通の車とは異なり、アクセルを離した瞬間にエンジンへのガソリン供給をストップさせ、車を走らせるために使っていたエネルギーを電力供給に変更することによって、余計なガソリンの使用を減らすといったことで、燃費を良くしているのが特徴であるといえるでしょう。

この電力供給方法の大きな利点としては、エンジンを無駄なく効率的に利用している所にあるといえるでしょう。特にアクセルを離した後のエンジンの動作というのは、基本的には無駄になってしまうエネルギーなので、これを電気に変えてしまうというのが、エネチャージのミソになる部分です。

こういった機能によってエネチャージでは、本来電力に使うはずだったガソリンを節約することができるため、結果的に燃費が良くなる機能であるといえます。

エネチャージの利点

これまでの説明から、エネチャージが不必要なガソリンの消費を抑えて燃費を良くする機能であるということがいえます。しかしながら、実際にエネチャージが導入されることによって、車の燃費はどれだけ良くなるのでしょうか。

こちらでは、実際にエネチャージが搭載された車の利点について簡単に紹介していきましょう。

アイドリングストップと併せると燃費が良くなる

エネチャージの最大の特徴といえる機能が、アクセルを離した時のエンジンの回転エネルギーを電力供給エネルギーに変換することができる点にあります。したがって、エネチャージを最大限に利用するためには、アイドリングストップを上手に利用する必要があります。

アイドリングストップとは、駐車場や信号待ちで不用意にエンジンを回さないことであるといわれています。そのためアイドリングストップ自体にも燃費を良くする効果があると考えられています。

エネチャージとアイドリングストップを組み合わせることによって、およそ10%程度の燃費の向上が認められるといわれています。こういった燃費の改善は、車に多く乗る人であるであるほど、効果が出るので、通勤などで車をたくさん使う機会のある人は、考慮して損はしないといえるでしょう。

エネチャージとsエネチャージとの違い

エネチャージの始まりは、スズキ社が2012年にリリースした「ワゴンR」が走りであるといわれています。現在では、エネチャージのリリースから時が経ち、エネチャージにも新しいバージョンが出現しました。

それが、「sエネチャージ」と呼ばれる昨日です。sエネチャージは、従来のエネチャージと比べると、一体どのような機能を有しているのでしょうか。こちらでは、従来のエネチャージとあ、新しいsエネチャージの機能を比較することによって、スズキ社のエネチャージの進化について紹介していきましょう。

sエネチャージとは

それではまず、sエネチャージとはいったいどういった機能があるのでしょうか。sエネチャージは、従来のエネチャージの進化版といっても過言ではないでしょう。

sエネチャージの特徴といえるのが、従来のエネチャージと比較して、充電の効率が著しく良くなった点が第一に挙げられます。従来のエネチャージの場合には、充電は一つの充電器に行っていたのが、sエネチャージでは二つの充電器に電力が供給されるようになりました。

これにより、一つの充電器をアイドリングストップ時のエンジンスターターの電力源とし、もう一つのモーターを別の電力源にすることで、アイドリングストップにおける余計な電力使用を減らすことが可能になりました。

モータ―機能付き発電機により可能に

アイドリングストップ時からのエンジン始動のアシストがsエネチャージにより可能になりました。それを可能にしたのが、sエネチャージに搭載されているモーター機能付き発電機です。従来のエネチャージで使っていたオルタネーターからこの発電機に変わったことにより、まず発電効率が30%ほど向上したといわれています。

また発電機にモーターと取り付けることによって、アイドリング時のエンジン始動の際に、こちらの発電機のモーターから動力を出力することが可能になりました。そのことにより、アイドリング時の余計な電力をカットすることができるようになったといわれています。このモーターはさらに、エンジンが加速する時にも用いることができるため一石二鳥です。

充電バッテリーも強化

従来のエネチャージでもリチウムイオン電池が用いられていました。sエネチャージにおいては、さらに改良されモーターの動作などの大電流にも対応できるようになりました。

sエネチャージの利点について

sエネチャージは従来のエネチャージと比べていくつかの大きな利点があります。こちらでは、それらの利点について簡単に紹介していきましょう。

低燃費である点

eエネチャージは、従来のエネチャージと比較しても、低燃費であるといわれています。それには、先ほど説明した、加速時のモーターアシストという点が挙げられます。

従来の車だと、運転中に加速をする場合には、多くのガソリンを消費するといわれています。sエネチャージでは、このエンジンを加速させるときのエネルギーに、sエネチャージで貯蔵した電力をモーターに使ってアシストすることにより、余計なガソリン消費を減らしているといわれています。

本来無駄になるはずのエネルギーを使って、エンジンの加速を行っているので、結果的に燃費は大きく向上します。

動きが静かである点

普通の車のエンジンでは、アイドリングの時に大きな音がでる場合があります。これはエンジンを始動させるときに、セルモーターと呼ばれるギアを作動させるからです。

しかしsエネチャージを使用した際には、このセルモーターは使用せず、発電機に付属したモーターを使用します。このモータは、プーリーと呼ばれる滑車とベルトを使用するので、セルモータを比べて音が少ないといわれています。

車内の空間が広い点

これまでにsエネチャージの機能をいろいろと紹介してきました。これらの機能の多くは、非常に有用であるのは間違いないでしょう。普通に考えると、これらのさまざまな機能を一度に搭載すると車の中の回路が大きくなってしまうことが多いです。

しかしながら、sエネチャージでは、これらのシステムが非常にコンパクトにまとめられています。そのためsエネチャージを搭載しても、車内を圧迫することがないので、快適な車内空間を実現することが可能です。

そのためエネチャージを搭載した車は、軽自動車でありながら広い車体と高い燃費を実現することができたといえるでしょう。

sエネチャージとマイルドハイブリッドの違い

sエネチャージは、スズキ車が提供しているシステムのことなので、あくまでもスズキ車のみで通じる用語であるといえます。一方でsエネチャージの類義語としてマイルドハイブリッドという単語があります。

これらの単語が指す意味はかなり似通っていますが、実際にはどういった違いがあるのでしょうか。こちらではsエネチャージとマイルドハイブリッドの違いについて簡単に紹介していきましょう。

マイルドハイブリッドが指す意味

それではまず、マイルドハイブリッドがどういった意味を指すかについて紹介していきましょう。

マイルドハイブリッドとは、ハイブリッドカーにおける一つのタイプであるといえます。マイルドハイブリッドの大きな特徴としては、車に搭載されているオルタネーターの機能を強化することで、本来搭載されているエンジンの機能の補助する役割が搭載されている点が挙げられます。

したがって、マイルドハイブリッドでは、走っている時に余分になるエネルギーを何らかの形で回収して、エンジンを補助する機能に回してしまうというのが特徴であるといえるでしょう。

sエネチャージはマイルドハイブリッドの一部

上記の説明にもあるとおり、マイルドハイブリッドとは、車の形式の種類の一つであると言い換えることができます。したがって、sエネチャージは、マイルドハイブリッドと呼ばれる車の形式の一つを示すといった位置づけになります。

しかしながら、マイルドハイブリッドと呼べる機能を正式に搭載しているのは、スズキのsエネチャージがほとんどであるというのが現状です。しかし、マイルドハイブリッドを考案しているのは、スズキ社だけではありません。例えばマツダでは、i-ELOOPと呼ばれるマイルドハイブリッドの開発が進められてきました。

これらの会社のマイルドハイブリッドの基盤となっているのが、車の減速時の生じる余剰エネルギーを電力として回収する機構であるといわれています。

マイルドハイブリッドの特徴

マイルドハイブリッドの特徴としては、ハイブリッド社と比べて、既存の車を少し改造することで実現可能であるという点が挙げられます。またハイブリッド車と比較して、充電池やモーターが小型で済むため、車体が大きくならずに済むという点も利点です。

海外のマイルドハイブリッド

海外におけるマイルドハイブリッドの開発は主にヨーロッパを中心に行われています。特にメルデスベンツやフォルクスワーゲンなどの会社が、新しいマイルドハイブリッドの規格を積極的に導入しているといわれています。

エネチャージ搭載車の一覧

上記の説明でもあったとおり、エネチャージはスズキ社が開発したマイルドハイブリッドの技術です。そのため、エネチャージと呼ばれる機能が搭載されている車はすべてスズキ社であるというのが原則であるといえるでしょう。

こちらでは、エネチャージが搭載されている車についていくつか紹介していきましょう。

ワゴンR

スズキ社の「ワゴンR」は軽自動車として2012年に初めてエネチャージが搭載された、いわばエネチャージの草分け的存在の車であるといえるでしょう。そのため中古車であってもエネチャージが搭載されている2012年の5代目モデルからは、お値段が高くなる場合があります。

最新のワゴンRには、先ほどの説明にも出てきたsエネチャージが搭載されています。

ハスラー

最近のスズキ社の車で、町中でも良く見かけるのがこの「ハスラー」と呼ばれる車種です。この車にもワゴンRと同じようにsエネチャージが搭載されています。

スペーシア

スペーシアもワゴンRと同じようにsエネチャージが搭載されています。この車にはsエネチャージの他にも、ブレーキアシスト機能が搭載されており、非常に安全性が高い車であるといえます。

ハイブリッド

先ほど説明したとおり、sエネチャージはマイルドハイブリッドと呼ばれる車のカテゴリーとなるため、先述の三種の車については、厳密にはハイブリッド社ではなく、マイルドハイブリッド車のカテゴリーになるといえるでしょう。

エネチャージのベルト交換方法

sエネチャージの項でも説明したとおり、sエネチャージではプーリとベルトによってモーターが接続されているのが特徴であるといえるでしょう。

そのため、車に長い間乗っているといずれ、そのベルトやプーリを交換しなければならない時期がきてしまいます。車は自分の命を預ける大切な乗り物であるため、壊れてから交換では非常にリスクが高いです。そこでこちらでは、そういった事故やリスクを防ぐために、エネチャージのベルトの交換方法について紹介していきましょう。

基本的には修理に出しましょう

よほど車の修理や改造が趣味である人でない限り、自分で修理をするのは危険です。ベルトが切れたり摩耗して危険な場合には、購入したディーラーに相談するのが間違いないでしょう。修理としては、10000円前後で行うことができ、作業自体も1時間から2時間くらいで終了するといわれています。

自分でいじって手に負えなくなるのが最悪なので、自信がない時にはプロにお願いするようにしましょう。

エネチャージの技術は革新的

これまで説明したとおり、エネチャージの技術は非常に革新的であるといえるでしょう。車にとって重大な課題である燃費の問題を、自動車が走るときに生じる余剰エネルギーを回収することによって解決した点は、非常に優れています。

また燃費の問題のみならず、エネチャージはガソリンの使用を減らすという点から、二酸化炭素の排出減らし、自然環境にも優しいというというのも非常に評価することができます。

現在エネチャージの技術を前面に押し出しているのは、海外の自動車メーカー、日本ではスズキ社などが挙げられます。こういった素晴らしい技術が世界中に発展していくことが望ましいといえるでしょう。

初回公開日:2018年05月02日

記載されている内容は2018年05月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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