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ファンベルトの交換の費用の目安・鳴きの原因と異音の原因

更新日:2024年03月18日

ファンベルトが鳴いているけどその原因がなんだかわかりますか。今回はファンベルトの鳴きと原因を焦点にして、ファンベルトの交換方法や調整の仕方を解説します。またファンベルトを交換すると費用がどのくらいかかるのかご紹介していきます。

ファンベルトの交換の費用の目安・鳴きの原因と異音の原因

ファンベルトとは

車のボンネットを開けて、エンジンルームを覗くと黒いベルトを1本、車種によっては3本見ることができます。それがファンベルトですが、ベルトで駆動している補器類によりその呼び方が変わってきます。

ファンベルトで駆動しているものは、ラジエーターの冷却ファンと発電用のオルタネーターになります。この他にエアコンベルト、パワステベルトがありますが、全ての補器類を一本のファンベルトで駆動している車種もあります。

ファンベルトなどのベルトをVベルトとも呼びますが、Vベルトとはベルトの断面が平面ではなく、V字になっており摩擦抵抗が大きく滑りにくいベルトの事を指します。単にVベルトだけではどこのベルトを差しているのかわからないので、通常はベルトを掛けてある補器類の名前でベルトを呼びます。例えばパワステベルトとかエアコンベルトといった呼び方をします。

ファンベルトの場所

ファンベルトは、エンジンが横置きと縦置きではベルトのある位置が異なります。縦置きエンジンであれば、エンジンの前にオルタネーターなどの補器類にかけられています。

横置きエンジンは、FF車に採用されており車室内を広く取りたいミニバンや軽自動車には多く採用されています。エンジンの置き方も右置きと左置きとあるため、エンジンルーム内の左右を見てベルトの位置を確認します。

最近の車でエンジンカバーがあり見えない車は、カバーを外して確認をします。カバーは差し込み式で止まっているものがほとんどで、特殊な工具など必要なく外すことができます。しかしプラスチック製なので無理な力を加えれば破損しますから慎重に引っ張り上げましょう。

カバーが外れればファンベルトが見えるはずです。車種によりベルトの本数が違いますが、ファンベルトはオルタネーターを駆動しているベルトになります。

ファンベルトの種類

昔の車は、オルタネーターとウォーターポンプを1本のベルトで回し、エンジンを冷却するためのファンも同時に回すことから、ファンベルトと呼ばれていました。車の技術革新でパワーステアリングやエアコンが装着され、それぞれのポンプやコンプレッサーを駆動させるためにベルトが追加されました。

ベルトはそれぞれサイズが違い、ファンベルトとエアコンベルト、パワステベルトなどどれも互換性がありません。必ず専用のベルトを装着する必要があります。また、同一車種でも年式によってはベルトのサイズが変わっている場合もあるので、車検証を確認してベルトを発注する必要があります。

ファンベルトの交換費用の目安

ファンベルトを交換する費用は、ベルト代とその工賃となります。ベルトは使っている本数でベルト代と工賃が変わってきます。

ベルトのほとんどは1本3,000円~4,000円で手に入ります。工賃は5,000円程度と考えればよいでしょう。これは普通車でも軽自動車でもだいたい同じで、交換には部品と工賃で10,000円ほどかかるとみておけば間違いないでしょう。ただしベルトの本数が多い場合、すべて交換するとその金額も増えます。

しかし普通乗用車で1本で全ての補器類を駆動しているサーペンタインベルトは1本で7,000円~10,000円します。交換にはそれほど手間がかからない車種も多いので工賃は普通のベルト交換より安い場合が多いでしょう。

ディーラーなど

ディーラーや整備工場でファンベルトを交換する場合は、車検と同時に交換になるケースが多いでしょう。車検時には法定24か月点検が実施されるので、それと同時に交換すれば作業工賃が安くなるように設定されていますから、車検時の交換は割安なので利用すると良いでしょう。

ディーラーと整備工場とでは作業工賃が、1時間当たりで2,000円ほど違ってきますから、作業が大変な車ほどディーラー交換すると作業工賃が整備工場より高くなる傾向にあります。

作業が大変な車は、スズキスイフトや日産マーチで、作業時間が意外にかかる事で知られています。

オートバックス

オートバックスでもファンベルト交換は行ってもらえます。作業工賃は2,000円(税抜き)~となっています。しかし車種によりファンベルトの取り付け方法が違う事と、在庫を保有していない理由から事前に問い合わせをしてからの予約となります。

作業時間は20分からとなっていますが、平均で1時間ほど作業時間がかかる事が多いです。しかしオートバックスの設備では固着してしまったボルトが外せないケースも多々あるので、そういったトラブルが作業中に発生した場合は、そのまま交換せずに料金請求もなく終了となるケースもあります。その場合は店員より説明がありディーラーでの交換をすすめられます。

ファンベルトの鳴きの原因

外で見かける車の中には「キュルキュル」音を出して走っている車を見かけます。それはファンベルトが鳴いていることが原因です。ファンベルトが鳴く理由はベルトが緩んだときや劣化した時に起こり原因は3つ考えられます。

一つ目は張力不足です。ベルトはゴムなので、長く使用しているとゴムが伸びて張力が不足します。するとベルトが緩んだ状態となるので「キュルキュル」と鳴きます

2つ目はベルトの劣化が考えられます。長期に使用する事でベルトとプーリーの摩擦やエンジンの熱でゴムが硬化し、ひび割れが発生します。すると鳴きが発生します。

そして3つ目はベルトで駆動している補器類やプーリーの故障が考えられます。プーリが錆びている場合はその場所とファンベルトが接触し鳴きが出る事があります。また補器類が固着していると正常に回転できないので、悲鳴のような鳴きが発生します。

鳴き止めの方法

ファンベルトが鳴く場合はその原因が何処にあるのかを確かめてから作業する必要があります。ファンベルトにヒビ割れもなく、補器類やプーリーに異常がない時に鳴く場合は、張力不足なのでテンショナーで張力の調整をします。オートテンショナーの場合は、鳴き止め剤を使用して見ましょう。

鳴きどめ剤には粉末やシリコングリスなどがあり、カー用品店で手に入ります。潤滑剤を吹きかける荒業もありますが、その方法は故意に滑らせて音を消しているだけなので根本的な解決にはなりません。

鳴きが発生して、張力を調整したり鳴き止めを使っても鳴きが再び発生する場合は早めに新品と交換しましょう。いつまでもケミカルに頼っていてもベルトの劣化は回復しません。

ファンベルトの異音の原因

ファンベルトから異音が聞こえる場合は、ベルトが切れる前兆と考えられるでしょう。この他にも補器類の故障によりベルトとの摩擦が大きくなり異音が発生する場合が考えられます。

ファンベルトから持続的に「キュルキュル」と聞こえればファンベルトの摩耗が考えられ、「カラカラ、カタカタ」はプーリーの摩耗、「ウィーン」といった異音であればベアリングの異常が考えられます。

ほとんどの場合、ファンベルト交換で異音は解消されるでしょうが、もしファンベルトを交換しても異音が消えない場合は、機械的な部分でのトラブルと考えられます。そんな時には整備工場で点検を受けましょう。

切れた場合の対処

ファンベルトが切れるとエンジンに致命傷となる場合が多く非常に危険です。もしファンベルトが切れたなら、車を安全な場所に停車させてエンジンを直ちに切って、レッカーを依頼しましょう。

ファンベルトが切れると起きる症状はいくつも考えられます。発電されなくなったり水温上昇などが発生します。操縦系統ではパワステがいきなり効かなくなり、カーブをうまく曲がれなくなります。快適装置ではエアコンもストップするでしょう。

このようにファンベルトが切れると車は2次的な故障を招き1万円程度で済むはずの修理費が、莫大な金額の修理費と変わってしまいます。

切れる前には必ず予兆でベルトの鳴きが発生していますから、日頃の点検が重要になってきます。

ファンベルトの調節方法

ファンベルトの張力調整するにはオフセットメガネレンチ12mm、14mm、ラチェットレンチ10mm,12mm,14mmと取扱説明書を用意しましょう。

ファンベルトを調整する場合プーリーかオルタネーターで行う事が多いでしょう。オルタネーターの場合はテンショナーにアジャストするボルトがあるので、それを緩めてファンベルトに張りをつけます。一般に10kgの力で押して1mm沈むのが適正と言われますが、説明書を読みその車の適正なテンションにします。

ファンべルトを駆動している周りを見て、テンショナーに調整する部分が無ければ、オートテンショナーなので調整の必要はありません。おもに1本掛けのベルトはオートテンショナーとなっています。

調整を依頼した時の工賃

ファンベルトの調整は手間と経験が必要で、調整するには専用の張力計があり、正確に調整しないとベルトを張り過ぎてベルトが切れたり、プーリーを痛める事になりますから整備工場で適正な張力に調整してもらうのが無難です。

調整する場合の工賃ですが、通常は3,500円前後、1BOX車などシートの下にエンジンがある車両は、5,000円前後となっています。

新品のファンベルトに交換したけれどすぐに鳴きが発生する場合は、調整で鳴きが治まることが多いです。

ファンベルトの寿命

ファンベルトはゴムでできているので、長く使えば劣化が進む消耗品です。通常の使い方でファンベルトは50,000kmでの交換を目安とすればよいでしょう。

エンジンを掛けて鳴きが発生したら交換時期と考えても良いですし、点検時にファンベルトの裏側にヒビ割れが無いか確認して、ヒビ割れがあれば交換すると良いでしょう。しかしファンベルトの伸びは目視では確認できないので、走行距離が50,000kmに達していればヒビ割れが無くても交換することをすすめます。

ファンベルトの交換方法

ファンベルトを交換する場合に必要な工具は、ラチェットレンチとメガネレンチが必要になります。ファンベルトには1本のものから3本のものまであるので、交換する時には、全て同時に交換する事をすすめます。

車種により交換方法は異なりますが、基本はベルトがかかっている補器類やプーリーの中でどれか一つが必ず動く仕組みになっています。その場所さえ確認できれば、その部分をゆるめて古いファンベルトを取り外します。取り付けは取り外しの反対の手順で行えばよいでしょう。

最後にベルトの張り具合を確かめて既定の張力になれば終了となります。車種によっては車の下側から作業しなければ外せない場合もあるので、車の上からだけでなく下からやホイールハウスの中からも確認しましょう。

必要工具

ファンベルトを交換する際に必要な工具は車種により数が多くなります。一般にボンネットを開けて上から作業できる車両であれば、12mm,14mmのオフセットメガネレンチ、ラチェットレンチ10mm,12mm,14mmがあれば交換することができるでしょう。

車を持ち上げる必要がある車種はFF車に多くあり、ガレージジャッキとリジットラックが必要になります。その他タイヤを外してホイールハウス奥のカバーがプラスチックピンで止まっているので、それを外すのに内装剥がしやマイナスドライバーが必要になるでしょう。

手順

ファンベルトの交換手順は、ベルトのテンショナーを緩めてベルトの張りをなくして外します。取り付けは逆の手順で取り付けますが、車をジャッキアップして車の下に潜りこまなければ作業できない車種もあります。

最初にファンベルトのテンショナーに工具が掛けられるか確認します、もしできなければ違う場所からテンショナーにアクセスできないか確認します。

テンショナーに工具がアクセスできれば、ベルトを外すのはほぼ終わったも同然です。テンショナーがプーリーの場合はセンターナットを緩めてからアジャストボルトを緩めテンションをなくします。

オルタネーターがテンショナーの役目をしている車種もあるので、その場合はオルタネーターの取り付けを緩めてやるとベルトが外れます。

ベルトは幾つかのプーリーに掛けてあることがほとんどなので外す前に何処にかかっていたか忘れないように図に書いておくと良いでしょう。

ファンベルトの鳴きで交換時期を見極めよう

ファンベルトは車を動かすために非常に重要なパーツになります。ファンベルトを交換せずに突然切れてしまうと、エンジンも止まってしまうことになります。

日頃から車の点検をして、ベルトの鳴きが聞こえたら、それはそろそろ交換時期のサインと受け止めて、はやめにファンベルトの交換をしましょう。

車は数多くの部品の集合体ですから、たった一つの部品が他の重要な部品を壊す恐れが潜んでいます。たかがベルトの鳴きだけだと軽く考えず、重大な故障につながる前に点検をして適切な整備をしましょう。

初回公開日:2018年02月06日

記載されている内容は2018年02月06日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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