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バンパーの修理方法・塗装方法と料金・外し方・加工|割れ

更新日:2024年03月16日

バンパーに傷ができた時に、修理を依頼するか自分で修理にチャレンジできるか考えた事はありませんか。今回はバンパーの修理方法や、交換した時にかかる費用まで解説し、自分で割れた場合の修理やバンパーの加工方法を詳しくご紹介していきます。

バンパーの修理方法・塗装方法と料金・外し方・加工|割れ

バンパーの修理方法

車のバンパーは、前後ともに非常に傷がつきいやすいパーツです。バンパー本来の目的はボディーを守ることですが、日本ではボディー同色に塗られたバンパーに傷がつけばボディー同様の補修が行われています。

バンパーの修理方法は、車から外して修理する方法と車につけたまま修理する方法の2種類があります。車から外す場合は傷の程度が大きい場合で、特に割れたりへこんだ場合や、取り付け部分が欠けてしまった場合には取り外して補修を行います。

純正バンパーはPP(ポリプロピレン)製がほとんどなので、割れてしまったり大きくへこんだ場合は交換となる事が多いです。修理する場合は、擦り傷や小さなへこみの場合がほとんどで、バンパー全体の半分以下にできたキズの修理の場合が多いでしょう。

修理に出す場合、それ以上大きな傷の場合は、新品バンパーに交換したほうが安くなりますから、よほどレアなバンパーの場合を除き修理しません。

必要工具と材料

現在のバンパーは樹脂製なので、簡単な擦り傷なら樹脂専用のバンパーパテを使って整形し、修理することができます。

バンパー修理に必要な工具などは、カッターナイフ、ホットガン、80番、120番、180番、240番、320番のサンドペーパー、バンパーパテがあれば擦り傷や浅いへこみの修理ができます。

ここからは、純正バンパーの傷別の修理方法について解説していきます。

擦り傷

擦り傷の大きさは、大きくなればそれだけパテをたくさん使わなければならなくなり、パテ整形にも時間がかかるので、だいたい両手の手のひら位の大きさ迄を目安として修理をします。

擦り傷を見てささくれている部分をカッターナイフを使い、周りの塗装面より低くなるように丁寧に切り取ります。そのあと80番のサンドペーパーでキズの部分を研ぎデコボコを平らにしていきます。この時に問題ない塗装面にペーパーが当たらないように注意します。

キズが平らになったら、120番でキズと塗装面の境を研いでいきフェザーエッジを作ります。フェザーエッジとは、旧塗膜と樹脂の境にくっきりと段差ができている部分を、なだらかにする作業です。擦り傷の部分と旧塗膜部分に指で触り段差が感じられなくなるまで丁寧に研ぎます。

次にパテを盛りますが、最初に一番低い所から盛っていくと平らにパテを塗ることができます。

へこみ

バンパーがへこんだ場合は温めることで元の形に戻ってきます。ドライヤーでもできますが、より熱量があるヒートガンを使うと早く修理することができます。

バンパーを外さなくても裏から手が入る場合は、車に取り付けたまま作業を行いますが、へこみ部分に裏から手が入らない場合は、バンパーを外しての作業がよいでしょう。

バンパーのへこみ部分にドライヤーを当てます。寒い冬は数本のドライヤーで温めないと熱量が足りないことがあります。ドライヤーをなるべくキズに近付けて手で触る事ができなくなるほどの温度まで温めます。バンパーが熱くなったら、裏側に手をいれて、へこみ部分を押し出します。熱がしっかりと入っていれば、意外と簡単にへこみは元に戻るでしょう。

へこみの場合は、へこんでいた部分の塗装が剥がれる可能性があるので塗装を剥がして再塗装をします。塗装を剥がすには、120番のペーパーで樹脂が出るまで行います。

割れ

バンパーが割れてしまうと、純正のPPバンパーでは修理が非常に難易度が高くなります。専用の2液性の接着剤を使って接着しますが、接着剤だけでは固定できない場合が多いので、ヒートリペアキットを使用します。

割れる事が多い社外製のFRPバンパースポイラーは、FRPの補修キットを使い修復していきます。FRPの補修にはガラスマットを使用するので注意が必要です。

PPバンパー

PPバンパーには上の商品のようにヒートリペアを使い、ピンを割れたヵ所にホッチキスのように止めていきます。この作業で割れは修復できますが、さらに裏から2液性のグラプスかメグミックスといったPPに対応した接着剤で補修します。

使い方はバンパーの割れた面をV字にカットして、裏側から補強テープを貼り付けてその上から接着剤を流し込んでいきます。V字にカットするのは接着面を広げるために行います。メグミックスだと硬化時間が60秒と180秒の2種類があり、スピーディーに補修ができます。

硬化した後は擦り傷の補修方法と同じように、表面を平らにしてからパテを薄くつけて形を整えていきます。

FRPバンパー

FRPバンパーが割れた場合は、力を加えると割れた部分が広がるので、余計な力を加えないように作業しなければなりません。基本的に割れた部分の裏側にガラスマットを樹脂を使い固めていきます。

ガラスマットを貼り付ける前に、割れた部分を広めに足付け研磨する必要があります。120番程度のペーパーで足付けしてよくエアブローします。そのあとガラスマットを割れた面より広めにFRP樹脂を使って貼り付けていきます。ローラーでバンパーに密着させて空気を抜きながら3枚ほど貼り付け硬化すれば表面の修理に入ります。

表面は、ディスクサンダーを使ってゲルコートを薄く削り落とし、120番のペーパーでフェザーエッジを付けます。そのあとバンパーパテを塗って形を整えれば塗装に進むことができます。

バンパーの塗装方法と料金

バンパーの塗装料金は、軽自動車と普通自動車とではバンパーの大きさが違うので値段は変わってきます。また塗る色によっても料金が変わります。塗装方法には部分塗装からバンパー1本塗りとに分かれ、部分塗装なら1万円~の設定をしている業者が多いです。

1本塗りで通常ソリッドカラーと呼ばれるメタリックやパールが入っていない塗装では2万円~となっています。またメタリックなどでは3万円~となり、特にパールホワイトは塗装方法の難易度が高いので、料金は高くなります。

脱脂作業

塗装する時には油分は大敵なので、シリコンオフを使い確実に脱脂をする必要があります。スプレー式のシリコンオフが売られているので、それを使用し塗装面に吹きかけます。よく吹きかけたら綺麗なウェスで拭き取ります。

油分が残っている状態で塗装すると塗料が弾き綺麗に塗ることができません。塗装前の下地処理は非常に重要になりますから手を抜かずに行う事が大切です。

タッチペン

タッチアップペイントを使ってキズを補修するには、小さなキズの場合に使用します。大きい傷ではタッチアップペイントでは綺麗に補修することができません。

タッチアップは特に線傷や、飛び石で剥がれてしまったコメ粒ほどのキズに使用します。使い方は良く振って撹拌してから、キャップに付いている筆で補修していきます。しかし筆は結構大きめなので、楊枝の先に塗料をつけてキズに塗料を置いていく感じで使用すると簡単です。傷に対して筆を走らせると失敗しますから必ず塗料を点で置いていきます。

1週間ほどして硬化したら、1200番の水研ぎペーパーで盛り上がった補修ヵ所を研磨します。周りと同じ高さまで削り落としてから、2000番でペーパー目を消し、コンパウンドで磨いていきます。コンパウンドは細目、極細目、超極細目の順で使い磨くと周りと同化してわからなくなるでしょう。

プライマー

プライマーとは最初に塗る塗料の事をさし、おもに下塗りに使用する塗料の事をプライマーと呼びます。プライマーは下地処理や表面処理の役目があり、下地と上塗り塗装の両方に密着するので、それぞれの素材に応じた機能があります。

プライマーの役割はおもに3つ挙げられ、下地と塗料を密着させる効果、表面を密にして塗料が密着しやすくする効果、下地と塗料の馴染みをよくする効果があります。

サフェーサーという下地塗料がありますが、これは上塗りをしたときに綺麗に塗装できるよう表面を平滑にすることができる塗料です。

プライマーは、下地との密着性に重点を置くのに対し、サフェーサーは仕上がりを重点に置いた下地塗料で、この両方の役割を兼ね備えたプラサフというものがあります。しかしプラサフは鉄に対しては密着効果は高いですが、プラスチックやアルミには効果があまり得られないので、専用のプライマーを塗布する必要があります。

塗装

バンパーを塗装するには1本塗りと、部分塗装の2種類があります。1本塗りは同じ色で全体を塗装するので、塗装面積も広くなり使用する塗料も多くなります。部分塗装は、塗装面積は狭く塗料も少なく済みますが、塗装の境目を処理する技術が必要になります。

車の色にはメタリックやパールを含まないソリッドカラーとメタリックやパールを含む色の2つに大きく分けられます。大きな違いは、ソリッドカラーは色の塗装をすれば完成であるのに対し、メタリックやパールは、ベースの色を塗装した後にクリア塗装する必要があります。また、部分塗装でもそれぞれで作業工程が変わってきます。

ソリッド

ソリッドカラーを塗装する場合、通常3回に分けて塗装します。1回目はパラ吹きといい、パラパラと塗装します。2回目である程度色が決まるように塗装して、3回目で艶や塗装した時の肌が、前の塗装と同じようになるように塗装します。1本塗りはこれで完成ですが、部分塗装の場合は、ボカシを入れなければなりません。

部分塗装をする場合、マスキングは実際の塗装面より広くバンパーを露出できるようにマスキングします。例えばバンパーのコーナー部分でしたらバンパーの半分だけマスキングをします。ここで注意するのは、マスキングする際、堺となる部分はリバースマスキングという方法を取ります。

リバースマスキングは、マスキングシートをマスキングテープで貼ったら、テープの付いていないほうをめくりあげて、反対側に貼り付ける方法です。この方法で塗装すれば、境目は目立たなくなり後処理が楽になります。

ぼかし塗装

塗装する面に3回色を重ね塗りした後に、ぼかし塗装をします。ボカシ塗装は一般に売られているボカシ剤を使っても良いですし、シンナーで塗料を希釈できるならその方法で塗装しても良いでしょう。

塗装部分が半乾きになったら、ボカシ剤をマスキングしてある部分まで塗装します。この時に塗装してある部分にはあまり塗料を掛けずに、ボカシたい部分にボカシ剤を塗装します。注意するのは、マスキングに近くなったら、スプレーガンまたは、スプレー缶を塗装面から話すように塗装する事です。

手首のスナップを使い、境目を塗装します。通常は塗装面とスプレーガンやスプレー缶と距離は同じにして移動しなければなりませんが、ボカシの時は、ぼかす部分を遠ざけるように塗装します。

メタリックやパール

メタリックやパールは2コート塗装です。メタリックを例に説明をしますと、ベースのメタリックカラーを3回塗装してから、クリア塗装を3回行います。

ボカシの場合は、塗装面に色が決まるように塗装してから少し広めにベースの色を遠くから吹き付けます。この時に手首を使い、色を塗る部分を過ぎたら手首を外側に持っていくことで、塗料の吐出口を塗装面から遠ざけることができます。

クリア塗装は2回塗装し、3回目でボカシ塗装をします。クリアをシンナーで希釈するかボカシ剤を使い、スプレーガンもしくはスプレー缶を塗装面をマスキングに近くなるに従い遠ざけるように塗装します。何回も行うとマスキングの場所に段差ができるので後で磨きが大変になります。1回ないし2回でボカシは終了します。

3コートパール

3コートパールとは、パールホワイトの車の事を指します。まずベースの白にパールを塗り重ね、最後にクリア塗装で仕上げます。ベースの色が合っていても、パールの吹き付け回数で色が変わるので、最初の色合わせが重要になります。

部分塗装する場合は、塗装する面にベースコートを塗装しますが、あまり旧塗膜にベースコートがかからないようにします。つぎにパールをベースコートを塗った場所に指定回数塗装します。この時に最後の1回だけパールを少し外側まで吹きます。しかしボカシなので外に行くにつれて塗装面と距離を取るように手首を使い塗装します。

クリア塗装はメタリックと同じように3回目でボカシ塗装を入れますが、2回塗装した時点で、ベースコートとパールコートが旧塗膜となじんでいるか確認してからクリアのボカシを塗装します。

バンパーの交換費用

バンパーを交換する場合、バンパー本体の値段とその交換工賃が発生します。バンパーを交換するといっても、バンパーには多くの部品が取り付けられている事があり、損傷部位によっては、それらの部品も一緒に注文する必要があります。

特にバンパーのサイド部分には、バンパーリテーナーといわれるプラスチックの部品があり、これが損傷するとバンパーがツライチに取り付けできなくなります。

工賃は、車によりその値段は変わりますが、数千円で交換できる車種もあれば1万円を超える車種もあるでしょう。

バンパーの値段

バンパーは、新品と中古品を購入する事ができます。バンパー交換で締める価格の割合は、バンパー本体となります。車種によりその金額は違ってきますが、軽自動車でも3万円以上する事が多く、普通自動車でもアルファードのフロントバンパーは68,400円もします。

バンパーには中古バンパーの他に再生バンパーも存在します。再生バンパーは解体した車の程度の良いパーツを再生したパーツで、新品同等品に仕上げた物です。下記の表は、主な車種の新品価格と再生バンパーのおよその価格です。

車種新品価格再生バンパーの平均価格
マークX GRX130後期250Gフロント48,100円12,500円
ミライースLA300S後期フロント39,700円10,500円
N-BOX JF1 フロント31,700円 8,200円
アクア NHP10フロント42,900円11,000円
アルファード H20 240S フロント68,400円18,000円
ヴィッツ NSP130 フロント36,100円 9,400円
ヴォクシー ZRR80W フロント53,100円14,000円
クラウンアスリートGRS210フロント62,500円16,500円
プリウス ZVW30後期 フロント54,500円14,000円

バンパーの外し方

バンパーを外すにはそれほど特殊な工具は必要ありません。プラスドライバー、マイナスドライバーをそれぞれ大中小、それとラチェットレンチがあればバンパーを外すことができます。

普通車の場合フロントバンパーとリアバンパーとでは、フロントバンパーのほうが小さいので一人でもなんとか取り外すことができますが、リアバンパーはリアフェンダーに回り込んだ部分が長い車種があり、外すのには2人で外した方が楽な車もあります。

フロントバンパー

フロントバンパーの外し方は、大体どの車種も同じでプラスチックのピンが多用されています。

ボンネットを開けてラジエーターが目で確認できるか見ます。もしラジエーターのフィンが何も見えなければ上のカバーを外していきます。上のプラスチックカバーが外れるとグリルやバンパーを止めているクリップやボルトが見えますから、それを外していきます。

バンパーの下側にもクリップやボルトで止められていますから全て外していきます。タイヤハウスのバンパーの上側の付け根にボルトで止められている事が多いので、フェンダーライナーを外し、バンパーとフェンダーを止めているボルトを外します。

ほとんどのバンパーはこの手順で外すことができます。バンパーのサイドとフェンダーは、差し込みでなので引っ張ると外れます。

注意する点は無理な力で引っ張らないことです。止まっているボルトやクリップを外せば簡単な力で外れるはずです。

リアバンパー

最近のリアバンパーはフェンダーカバーや、目クラ蓋が多く、外すのに少し手間がかかります。また先にテールレンズを外さなければ、バンパーの爪が外せない車種もあります。

大まかな流れとしては、テールレンズを外します。この時にテールレンズのボルトを隠すために目クラ蓋をつかっている車種も多いので、内装剥がしを使い外していきます。次にフェンダーのインナーカバーを外します。ボルトで止められていることが多いですが、バンパーにかかる部分だけ外せばよいでしょう。

フェンダーカバ―が付いている車はこの後外していきます。ほとんどの車種がはめ込みで止まっているので、手を裏側に入れて爪をたたむようにしてからフェンダーカバーを引っ張ります。

バンパーの下側もボルト止めしてあるので全て外し、テールレンズを外した場所のクリップやボルトを外し配線を抜いてバンパーを外します。

バンパーの加工方法

純正のPPバンパーの加工は、熱により溶接ができるので、要らないPP素材が手に入れば半田ごてを使い加工することができるでしょう。しかしFRPを加工するよりかなり手間と時間がかかることを覚悟しなければなりません。

FRPによる加工方法

FRPバンパーは切ったりはったりが非常に自由度が効くのと、一から形を作り貼り合わせる事もできるため、デザインは無限大に広がります。

バンパーを加工する場合デザインを決めて、そこに新しくFRPで作成した物を貼りつけていきます。自分の好きなデザインに変更できるのがFRPの強みでしょう。

FRPが硬化したらファイバーパテを使い形を整えていきます。形ができ上がれば細かい修正はバンパーパテやポリパテなどで行い、プラサフを吹いて塗装すれば完成です。

バンパー修理は自分のスタイルで修理可能です

バンパーの修理方法について解説してきました。バンパーの修理は根気とやる気があれば、意外に誰でもできる補修です。

最後まであきらめずに丁寧に作業すれば、自分の考えていた以上に綺麗に仕上がるでしょう。しかし時間が多く必要になるので自分で直す時間が無ければ、やはり板金塗装工場にお願いするほかありません。この時に自費で安く修理したいのであれば、その旨詳しく伝える事で、新品と変わらない仕上げ格安に修理をしてもらえるでしょう。

ボディーのように特殊な工具も必要なく、自分のスタイルに合った修理ができるのもバンパーならではの魅力です。

初回公開日:2018年01月25日

記載されている内容は2018年01月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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