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ウォーターポンプの仕組み・交換時期・異音や水漏れの原因

更新日:2024年01月07日

ウォーターポンプは車についている非常に重要な部品です。ウォーターポンプがあるから車は快適に走ることができます。そんなウォーターポンプの仕組みや構造、そしてウォーターポンプがもし故障した時にはどう対処すればよいのかを詳しくご紹介します。

ウォーターポンプの仕組み・交換時期・異音や水漏れの原因

ウォーターポンプの仕組み・構造

車のエンジンは燃料を爆発燃焼させて動いているので、冷却する必要があります。現在の車のエンジンは水冷式のエンジンで、エンジンの熱を冷却水で冷やしています。

冷却水がエンジンの廻りにあるだけでは沸騰してしまうので、循環させてラジエーターで冷却水を冷やす必要があります。そして冷えた冷却水をエンジンの廻りに循環させて効率よくエンジンを冷やします。この一連の動きをウィーターポンプの力で行っています。

ウォーターポンプは主にボディー、フランジ、インペラー、ウォーターポンプベアリング、メカニカルシールから構成されています。フランジは、プーリーが付いてベルトで駆動する部分で、インペラーが冷却水を送り出す重要な部分です。

冷却水で満たされたインペラーのある部分と、ベアリング部分はメカニカルシールにより隔壁されています。侵入した水は蒸気となりボディーの水抜き孔より排出される構造となっています。

役割

ウォーターポンプの役割は、平たく言うとエンジンが最高の状態で燃焼爆発できる温度に保つよう冷却水を循環させる装置です。

ウィーターポンプはタイミングベルトやファンベルトを介して回転し、冷却水に圧力をかけてエンジン内部に送り出すポンプです。エンジンは1,000度以上の高温にさらされており、もし冷却水が循環できなければ、金属でできているエンジンは熱膨張をし、そして融解しはじめるでしょう。

このようにウォーターポンプはラジエーターで冷やされた冷却水を効率よく循環させエンジンを冷却するのに欠かせない役割があります。

ウォーターポンプの交換時期

ウォーターポンプを実際に交換するまでの期間は、意外に長い方が多いでしょう。なかには20万キロ走っても無交換の車さえあるのも事実です。

ウォーターポンプは冷却水を圧送しているので、冷却水の管理をきちんと行っていれば、意外に長持ちする部品でもあります。しかし冷却水の交換をメーカー指定どおりに行っていなければ、冷却通路にヘドロが溜まり、そして錆の発生が起きます。つまり、冷却水がいつもキレイな状態であれば、ウォーターポンプの交換スパンも長くても問題ない事も多いでしょう。

タイミングベルト交換時

タイミングベルトを交換する時に一緒にウォーターポンプを交換したほうが良い理由は、ウォーターポンプがタイミングベルトで駆動しているためで、タイミングベルトを交換する時に一緒に行う事で、工賃を抑えられるからです。

実際はタイミングベルト交換時期に一緒に交換しなくても、問題が無い事が多いウォーターポンプですが、次のタイミングベルト交換まで問題なく作動する補償はありません。タイミングベルト交換には、多くの部品を外す必要があるので、2度手間を避ける事と、工賃を抑えるためにもタイミングベルト交換時に一緒に交換するのがベストです。

10万キロ

一般にウォーターポンプ交換は10万キロ目安での交換を推奨しています。それは車にとって10万キロは一つの節目であることと、タイミングベルトの車は10万キロでタイミングベルトと一緒にウォーターポンプ交換をしていたからでしょう。

しかし実際は部品にも個体差があるのと、日頃の冷却水の管理次第で10万キロで交換の必要が無い場合がほとんどです。反対に日頃のメンテナンスが悪ければ10万キロ待たずにウォーターポンプの故障に見舞われる事があります。

そこで重要なのは定期点検です。日常点検も大事ですが、12か月点検や24か月点検を確実に行う事で、整備工場からウォーターポンプの交換時期を教えてもらえるでしょう。

ウォーターポンプからの異音の原因

エンジンから異音が聞こえ、それがウィーターポンプからの音であれば、直ぐに交換しなければオーバーヒートを起こし、最悪の場合には車を諦めなければならないほどのダメージを追う事が考えられます。

そこでウォーターポンプから発せられる異音の原因ですが、ウォーターポンプは常にベルトにより回転しているので、時と共に回転部分は劣化してきます。損傷部分がベアリングの場合がほとんどですが、回転部分にガタが出ても異音が出てくるでしょう。

カラカラなど

ウォーターポンプはポンプからの異音は「カラカラ」であったり「キーン」であったり、「ウィーン」といった音が一般的です。ただし異音は他の補器類やエンジン内部の可能性もあるので、整備工場で異音の出どころを突き止める必要があります。

「カラカラ」といった音にはエンジンの油圧系統に異常がある時にも聞こえる音なので、安易な判断は危険です。最近の車でタイミングチェーンを使った車種であれば、ファンベルトを外してみればエンジン内部からなのか補器類からなのかを判別できます。

しかしタイミングベルトの車では、ウォーターポンプをタイミングベルトで駆動しているので、この方法は使えません。ただし、タイミングベルトの車は定期的にウォーターポンプを交換しているので異音が出るまで使用し続ける事は稀でしょう。

異音が発生して、水漏れがあれば早急にウォーターポンプの交換をしなければオーバーヒートに繋がります。

ウォーターポンプからの異音を放置すると

ウォーターポンプから異音が発生していることがわかり、そのまま放置し続ければいずれウォーターポンプはその動きを止めて、エンジンはオーバーヒートしてしまうでしょう。

タイミングベルトの車は10万キロで誰もが交換する部品として知られていますが、近年はタイミングチェーンになり、ウォーターポンプは10万キロでの定期交換部品ではなくなってきました。そのためにウォーターポンプからの異音があっても、それに気が付かずに放置してしまう事例も多くあります。

エンジンルームからの異音は車からの故障のサインです。異音が出ても普通に走る事が多いので、そのまま乗り続けてしまう人も多いでしょう。しかし異音が出ているのにそのまま走り続け、仮に高速道路上でオーバーヒートしてしまうと、修理代の他に高速道路からのレッカー代も加わるなど、非常に大きな出費となることを覚悟しなければなりません。

車の残存期間を考慮する

ウォーターポンプが故障した場合、車は相当距離を走っているでしょうし、また年数もかなり経っていることでしょう。したがって他の部品も故障する可能性も高くなり、車を修理して乗り続けるか、それとも買い替えるかを選択する時期と言えるでしょう。

ウォーターポンプが故障したら、買い替えを意識して車の展示場に足を運んだり、新車を見にいくことも良いでしょう。そして買取店での見積もりは無料なので、今の愛車がどれくらいの価格になるのか査定をし、愛車を手放すか直して乗るかを判断するとよいでしょう。

ウォーターポンプの水漏れの原因と対処法

ウォターポンプからの水漏れはプーリーの裏側から起こりやすいでしょう。プーリーの裏側には、蒸気を抜くための数ミリ程度の小さな穴があり、内部機構に問題なければ通常は空気や蒸気しか出てきません。しかし内部のベアリングやメカニカルシールに不具合が出ると冷却水が漏れ出してきます。

そこで、ウォーターポンプから水漏れがある場合は、応急処置として冷却系統の内部圧力を抜いてあげることで解決します。それは他の冷却装置からの漏れと同じようにラジエーターキャップを外し、エンジンの冷却系統に圧力がかからないようにすれば、冷却水の漏れは少なくなります。

その状態でなるべく早く整備工場に行き、ウォーターポンプの交換修理をすると良いでしょう。ただし、ラジエーターのキャップを開ける際はエンジンが冷えてから行わなければ火傷をしますから注意しましょう。

オーバーヒート

水温計のはりがグングン上昇してくれば、エンジンがオーバーヒートを起こしていますから、早急に車を安全な場所に停車させ、ボンネットを開けます。この時エンジンから熱気が出てくるので火傷をしないように注意します。またこの時にエンジンは切らないようにします。

しかし冷却水が漏れだしていて、明らかに冷却系統に冷気約水が’少ないもしくはない場合や、冷却水の量が不明な場合はエンジンを切ります。

エンジンが冷えるとエンジンは再始動する事も可能な場合もありますが、オーバーヒートの原因がウォーターポンプからの水漏れであれば、速やかに救援を呼び整備工場で修理をしなければエンジンを壊してしまうでしょう。

またオーバーヒートを起こしたことに気が付かずに走行を続ければ、いきなりエンジンが止まり、非常に危険な目に合うでしょう。そしてエンジンは載せ替えとなってしまいます。日頃からインパネからの情報には注意しましょう。

ウォーターポンプの交換方法

ウォーターポンプ交換はタイミングベルト車であれば、タイミングベルト交換と一緒に行うのがセオリーです。タイミングベルトはウォーターポンプを駆動しており、タイミングベルトを外せば、ウォーターポンプを取り換えることができます。

タイミングベルト車は、タイミングベルト交換もしくは外しが必要なので、知識と経験が無ければ難しい作業です。タイミングベルトを外す前と取り付ける時に方法を間違えるとエンジンは始動しませんから、自信が無ければ整備工場にお願いすることが良いでしょう。

タイミングチェーンの車

ウォーターポンプを外す場合には冷却水を抜く必要があります。

冷却水を抜く場合、汚れがひどい場合は内部洗浄をしてから作業を行います。もしそのまま汚れが残っていると、新しいウォーターポンプのメカニカルシールに錆などが入り込み水漏れの原因となります。

古いウォーターポンプを取り外したら、取り付け面に残っているガスケットや汚れを綺麗にします。この時にアルミブロックのエンジンは、スクレーパーで強くこするとキズが入るので注意が必要です。綺麗になったら液体ガスケットを少量均等に塗布します。塗り過ぎは冷却水に液体ガスケットに入り硬化不足を起こし水漏れの原因となります。

新しいポンプを取り付けますが、ボルトはメーカー指定の既定のトルクで対角線で締めるようにします。締め過ぎは破損の原因になるので必ずトルクレンチを使用しましょう。あとはベルトを掛けて冷却水を入れれば終了です。

ウォーターポンプの交換費用の平均相場

ウォーターポンプの交換費用は十数万円するのではないかとしり込みしている人も多いのではないでしょうか。しかし実際ウォーターポンプ交換はタイミングチェーンの車であれば数万円で済む事が多いでしょう。しかしタイミングベルトの車だと、軽く50,000円以上かかることが当たり前となります。

タイミングベルトとウォーターポンプを交換する場合は、ベルト代が3000円~5000円ほどで、ウォーターポンプ代が10,000円ほど、そして工賃が20,000円ほどかかります。車種によってはエンジンを降ろさないと交換できない場合もあり、10万円以上する事も少なくありません。

ダイハツ車

ダイハツ車はウォーターポンプの不具合が多く有名です。一時期保証延長期間を設け、ウォーターポンプ交換を無償で行っていましたが、対象車が保証期間満了を迎えているので、現在ウォーターポンプの不具合が出ても有償修理となるでしょう。

症状としてはかなり大きな音で「キーキー」といった音が出ます。現在販売されているウォーターポンプは対策品で、不具合の出るウォーターポンプと大きく形が違います。

交換費用は50,000円以下で交換してもらえる事が多く、もし大きな異音が出ているようであれば早急に整備工場で点検修理をしましょう。

ディーラー

ディーラーで整備をすると、他で整備するより高めになりますが、それは時間当たりの工賃が他の整備工場より高く設定されているためです。

ウォーターポンプ代金は、10,000円ほどなのでどこで発注しても料金は一緒ですが、ディーラーでは1時間あたり8,000円の工賃が発生します。この他冷却水代金約5,000円がかかってきます。

例えば、スズキスイフトの場合作業時間が2.2時間が基本作業時間で、工賃は17,600円となり、トータルで約33,000円がウォーターポンプ交換費用となります。

高額な車種だと工賃で30,000円を超える車種もあります。しかしディーラーのメリットは自社の車なので、整備作業にはノウハウがあり安心でしょう。

整備工場

整備工場でウォーターポンプ交換を依頼すると工賃は1時間あたり約6,000円とディーラーよりかなり安い工賃で交換してもらえます。

スズキスイフトの場合、工賃は13,200円となり総額で約28,000円ほどでウォーターポンプ交換を行ってもらえます。ディーラーより5,000円ほど安くなる計算です。

一般整備工場のほとんどは、どこかのディーラーで整備士を務めていた人が始めている事が多く、働いていたディーラーの車種には非常に強いですが、他のメーカーの車種では意外に整備に時間がかかる事や断られる事があります。

しかし整備工場と馴染みになっておけば、融通が利くようになり、無理な修理なども請け負ってもらえるようになったり、工賃を安くしてもらったり簡単な整備なら無料で行ってもらう事もできるでしょう。

車からのサインを見逃さないように

車を快適に走らせるためには日頃のメンテナンスが不可欠です。特にウォーターポンプは知らない人も多かったでしょうが、エンジンが何事もなく動くためには、非常に重要な部品になります。

ウォーターポンプの役割をしっかりと理解し、異音や水漏れが見られた時には早急に整備工場で点検を受けて快適なカーライフを送りましょう。

初回公開日:2018年05月09日

記載されている内容は2018年05月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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