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【車種別】ローンチコントロールのやり方・搭載車一覧

更新日:2023年12月14日

ローンチコントロールという言葉は車好きであれば一度は聞いた事があるでしょう。今回はローンチコントロールの作動方法やローンチコントロールを搭載している車種をご紹介していきます。またローンチコントロールを使用する際の注意やその原理を説明します。

【車種別】ローンチコントロールのやり方・搭載車一覧

ローンチコントロールとは

ローンチコントロールとは停車している状態から、急加速させる際に素早く発進させる制御機能の事です。

従来車を急発進させる際には、クラッチ操作の半クラッチのやり方やクラッチミートさせる時のエンジン回転で、スタートダッシュが変わってきました。レーシングドライバーでも10回スタートダッシュを行っても全て同じスタートはできません。しかしローンチコントロールを使えば、誰が行っても同じようにスタートダッシュが決められます。

ローンチコントロールはレーシンガーの技術として生まれました。レーシングカーはエンジン出力が大きいわりに、アクセルストロークが短く、クラッチペダルも小さいので一流選手でもスタートに失敗することがありました。そこでハイテク技術として生まれたのがローンチコントロールシステムです。今では市販車にも多く搭載されるようになりました。

車種別ローンチコントロールのやり方

ローンチコントロールは車種ごとに操作方法が少しずつ違ってきますので、ここでは車種ごとのローンチコントロールの作動のさせ方についてご説明していきます。

その前に注意事項ですが、ローンチコントロールは一般道では非常に危険を伴う操作ですから、クローズドコースで行うようにして下さい。また車種により連続使用を控えるように取扱説明書に記載がありますから、厳守しないと車両が故障する恐れがあります。取扱説明書を熟読して、しっかりと理解してから行いましょう。

ポルシェ

ポルシェには多くの車種にオプションにてスポーツクロノパッケージが用意されています。スポーツクロノパッケージとは、PSM(ポルシェ・スタビリティ・マネジメントシステム)のアシストを抑制したり、レーシングシフトプログラムにより最小限のシフト時間で最大限の加速を得られるようにPDKをコントロールします。

この他に色んな機能がプログラミングされており、その中にローンチコントロールの機能も含まれています。

ローンチコントロールはスポーツ+モードを選択している時に使用可能で、使い方は左足でブレーキペダルをしっかり踏み込み、右足でアクセルを踏みます。エンジン回転が上昇してPDKの準備が整うとローンチコントロールのインジケータが点灯しますから、そのタイミングでブレーキを離せばロケットスタートが可能になります。

レヴォーグ

レヴォーグには裏モードがある事が知られています。それは取扱説明書を隅々まで読んでも書いてないことからそう言われている由来です。レヴォーグのローンチコントロールは、実際ハイパフォーマンスカーのローンチコントロールとはやり方が違いますが、それに近い方法で行うことができます。

レヴォーグはCVTなのでパワーバンドが最適な回転数で走行することができますが、S♯にすると疑似的に段付き制御をしてスポーツ走行の雰囲気を出しています。しかしCVTは段付きなど起こせば加速は鈍くなります。そこでブレーキとアクセルを同時に踏み込みブレーキを離すことでロケットスタートでき、段付きなく最高の加速が得られます。

audi

audiには数多くの車種設定があり、その多くの車種にローンチコントロールが装備されています。

ローンチコントロールの方法は、ESP(ABSやトラクションコントロールを使って4輪を独立して制御し、エンジンの出力を抑えることで、車の姿勢をコントロールする装置です。)をオフにして、Dからシフトレバーを左の+−に入れた状態のマニュアルモードにします。

ここまで準備が完了したら、左足でブレーキを強く踏み右足でアクセルペダルをベタ踏みします。エンジン回転は約3,000rpmで安定しますので、そこでブレーキペダルを離すと車はロケットスタートすることができます。

スバルなど

スバルのレヴォーグにローンチコントロールが付いているのは上記で説明しましたが、そのほかにもWRX、レガシィ、フォレスターでも行うことができます。

ローンチコントロールの操作方法はレヴォーグと同じで、S♯にしてからブレーキを踏み込んだ後アクセルをいっぱいまで踏み込むとエンジン回転が2,500回転程度で安定するので、そのタイミングでブレーキを離せばどの車種も同じようにロケットスタートすることができます。

スバルの車種でローンチコントロールができる車は、最新のCVT車となっています。

ローンチコントロール搭載車一覧

国内外ではかなりの数のローンチコントロールを搭載された車種があります。ここでは紹介しきれませんが、その中から選りすぐりの車種を厳選し、ローンチコントロールでスタートする動画も集めてみました。

ローンチコントロールは主にハイパフォーマンスカーに装着されることが多く、そのほとんどが標準装備となっています。

英語での動画ですが、見ているだけでそのやり方やローンチコントロール機能の凄さが伝わってくるでしょう。

BMW

BMWのローンチコントロールは2014年以降のMスポーツ(8AT)全ての車種に標準装備されるようになりました。

ローンチコントロールを行うには事前に準備が必要になります。10km以上、10分以上の走行をしてから初めてローンチコントロールを行うことができます。しかし次の手順に進む前に操作をゆっくり行っていると、ローンチコントロールが作動する条件から外れてしまいます。

やり方は、DPCを「スポーツ・プラス」 もしくはDPCを「コンフォート」にして横滑り防止機能(DSC)をOFFにします。ATセレクターを左に倒して「シフトSモード」にします。その時にマニュアルモードにするとローンチコントロールはできなくなります。

左足でブレーキを踏み右足でアクセルをキックダウンポイントまで踏み込みます。するとメーターの右下にチェッカーフラッグが表示され準備完了です。あとはブレーキを離すだけです。

メルセデスベンツAMG

メルセデスAMGにはレースタートというローンチコントロール機能が付いています。トラクションコントロールをオフにしてダイヤルをレースタートにして左右のパドルを同時に引くと起動します。インフォメーションにパドル操作でレースタートをするかキャンセルするか問われます。キャンセルの方法はパドルをシフトダウンするとキャンセルになります。

ブレーキペダルを踏み込んでからアクセルを全開に踏みます。エンジン回転が3,500rpmあたりで安定します。その後にブレーキを離せば車は強烈な加速をみせるでしょう。

AMGの車種にはマニュアルモードで行う場合など年式や車種により操作方法が若干異なりますから、取扱説明書をよく読むことです。また油温が85℃以上ないと作動しないので注意が必要です。

GTR

GTRには2007年当初からローンチコントロールが搭載されていましたが、トランスミッションやドライブシャフトが故障するトラブルが相次ぎ、2011年モデルから一時廃止されていました。その後問題を解決して2012年モデルからRモードスタートとして復活しました。

このRスタートを使えば、天候と気温さえ条件が整えば誰でも0~100km/h3秒というとてつもない加速を体験できます。

Rスタートはトランスミッション、ショックアブソーバー、トラクションをすべて“R”モードに設定します。左足でブレーキを踏み右足でアクセルを全開にするとタコメーターは4,000rpmでぴたりと止まり、3秒以内でブレーキを離せば怒涛の加速を見せます。

オーナーズマニュアルには、(Rモード発進ではむち打ちにご注意ください。)と注意書きがあるほどです。

ランボルギーニ

スーパーカーの代名詞ランボルギーニ。そのアベンタドール、ウラカンにも当然のごとくローンチコントロールは搭載されています。エンジン音と相まってその加速力はまるで空をも飛ぶ勢いで走り抜けます。

ESPモードをCORSAモードに切り替えてトラクションコントロールをオフにします。ブレーキを踏みアクセル全開後にブレーキを離したとたん異次元の加速を体感できます。そしてこのローンチコントロールを使えば誰でも0~100km/hを3.2秒で走らせることができます。

フェラーリ

当然のようにフェラーリにもローンチコントロールは搭載されています。例えば458イタリアでローンチコントロールを使用する手順は次のようになります。

ハンドル内のマネッティーノ設定をCSTオフにします。センターコンソール左手側に配置されているローンチコントロールボタンを押してからブレーキペダルを踏んだままアクセルを踏んでからブレーキを離せば快音とともにロケットスタートします。

シボレーカマロ

アメ車の代表としてこのカマロには、特別なローンチコントロールが搭載されています。他の車種のローンチコントロールが静止状態から急加速で発進するのに対し、このカマロは白煙を吐きながらドラッグスタートをすることができます。

この機能は、トラックモードを選択し、ドライブ(10速AT)か1速(6速MT)にギアが入っている時にローンチコントロールメニューからオンにすることができます。

ラインロックが有効になったことがインパネのモニターに表示されたら、ドライバーはブレーキペダルを約36kgで踏み込みマルチファンクション・モニターにあるステイタス・バーが100%になったその瞬間に、アクセル・ペダルを踏み込むと後輪が空転し始めます。

ステアリングホイールの左のクルーズコントロールボタンと右のセレクトボタンを押せば、それまで止まっていたクルマが前進を始め、走行しながらローリングバーンアウトができます。

レクサス

レクサスのスーパーカーといえばLFAですが、富裕層でさえ購入できなかったほど希少価値の高い車です。この車にはローンチコントロールが当然装着されていますが、そのプロセスは他の車より少し大変です。

ブレーキを踏み、パーキングブレーキを解除してからスポーツモードを選択しシフトスピードをレベル7に設定します。1速を選択したらシフトダウン側にパドルシフトを5秒間ホールドさせます。「LAUNCH」がメーターパネル内に表示されたら、シフトレバーを離してアクセルペダルを踏み込み4,000rpmになるようにキープします。

ブレーキペダルを離して発進させますが、この時のアクセルペダルの踏み込み加減で加速が変わります。

このようにLFAはローンチコントロールを行うには今の車より作業が多く大変です。しかも車両に多大なる負荷を与えるため、ローンチ・コントロールの利用回数は限られています。

キャデラック

キャデラックといえば高級車のイメージが色濃くて、ローンチコントロールとは無縁のメーカーと思われがちですが、実はキャデラックにはAMGC63やBMWM3のライバルとされるVシリーズが存在します。

このシリーズには、CTS-VとATS-Vの2種類の車種があり、両車種共にローンチコントロールが装着されています。

方法はトラックモードにしてトラクションコントロールをオフにします。スポーツモードにしたらブレーキをしっかりと踏み込み、アクセルを踏むと1500回転で安定しますので、そこでブレーキを離せばロケットスタートができます。

ミニ

MINIにも密かにローンチコントロールが装着できます。クーパーS用のオプションJCWチリパッケージとして、8速スポーツトランスミッションを選べば、ローンチコントロールを使用することができます。

操作方法は、ギアセレクターをSport Automaticにシフトします。エンゲージスポーツモードをオンにして、トラクションコントロールをオフにします。ブレーキペダルを踏むとインパネにチェッカーフラッグが出るのでアクセルを踏みます。あとはブレーキを離せばロケットスタートができます。

ローンチコントロールの後付けは可能なのか

結論から言うと、ローンチコントロールの後付けは可能です。最近のバイクはエンジンコントロールユニットを搭載しているので、チューニングコンピューターに変更して各種センサー、スイッチを取り付けるとローンチコントロールが可能になります。

販売しているのは、イタリアのDiM SPORT(ディムスポーツ)社で、高性能インジェクションコントローラーのラピットバイクです。その中のラピットバイクRacingに追加でYOU TUNEを取り付けると、トラクションコントロールとローンチコントロール機能を使うことができます。

車の場合も純正でついているECUをハルテックやモーテックなどのフルコンピュータに交換して、点火時期や回転制御をするとローンチコントロールすることができます。もちろんマニュアル車でも可能ですが、クラッチやミッションに負荷がかからないよう半クラッチの使い方が重要になります。

ローンチコントロールの仕組み

ローンチコントロールは、車が停車中にエンジン回転をアクセルをべた踏みしてもある一定以上エンジン回転が上がらないように制御します。その時にターボ車であればブーストがかかるようにミスファイアリングさせてターボを回転させます。

ローンチコントロールはエンジン回転を制御する時に、車速が設定スピード以下の時に制御が入るようになっています。例えば車速制御を時速2km/h以下の時にローンチコントロールが作動するようにすれば、車速が設定スピードを上回った瞬間に回転数制御がキャンセルされます。

トラクションコントロールなどの車の姿勢制御装置は、エンジン回転を制御してしまうのでローンチコントロールで回転数制御する時には、トラクションコントロールをOFFにするのはそのためです。

ローンチコントロールが壊れる・故障するときの原因

ローンチコントロールを多用するとローンチコントロールが故障するのではなく、エンジンやトランスミッション、ドライブシャフトに大きな負荷がかかり、故障してしまいます。

そこで各メーカーでは、ローンチコントロールが行える環境に制約を掛けます。例えば水温や油温が規定以上上昇しなければ作動しないようにといった具合にです。そして、一回行うごとに車のECUに履歴が書き込まれるようになっている車種もあり、ディーラーでのメンテナンスに役立つ工夫がされています。

通常ローンチコントロールは、1回行うごとにある程度のインターバルを取らなければ、作動できない仕組みになっています。それはエンジンや駆動系を守る意味でもあります。動画のようにポルシェのローンチコントロール技術は素晴らしいものですが、だからといって、多用すると車への負荷は大きいでしょう。

ローンチコントロールを使ってみよう

今回はローンチコントロールについて解説してきました。一般道で走る際には全く必要のない機構ですが、ローンチコントロールが搭載されている車両は、ハイパフォーマンスカーがほとんどです。こういった車を所有する人たちは、サーキットで走行する事も多いのでローンチコントロールのような特殊な装備がされています。

ゼロヨンやレースなどでロケットスタートをするには必需品のローンチコントロールですが、自分の車についていても実際に使用した事がある人は意外に多くはありません。せっかく付いている機能ですから、サーキットなどのクローズドコースでその加速を味わってみましょう。きっと自分の車がもっと好きになるはずです。

初回公開日:2018年02月09日

記載されている内容は2018年02月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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