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冷却水の交換方法・値段・漏れ防止・減る原因|エア抜き

更新日:2024年04月05日

冷却水の交換をお願いするといったいどれくらいかかるのか気になりますよね。しかし以外に冷却水の交換費用は高くありません。エンジンのように発熱するものを制御している冷却水も劣化してきます。そこで交換方法から気になるエアー抜きの方法まで詳しく解説していきます。

冷却水の交換方法・値段・漏れ防止・減る原因|エア抜き

冷却水の交換方法・値段

車は燃料を燃やしているので必ず冷却する必要があります。今の車は水冷エンジンが主流なので、水を循環させてエンジンを冷やしています。しかし冷却水も年月が経てば劣化してきますから、交換が必要になってきます。

冷却水を交換する方法は、ラジエーターから冷却水を抜いて入れ替える方法が主流です。交換を行っている場所もカーディーラー、整備工場、ガソリンスタンドにカー用品店と色んなお店や工場で交換を行ってもらえます。

交換するには、LLC(冷却水)が必要になりますが、必要なLLCの量は車によって違ってきます。この他に冷却水を交換する工賃が必要になってきますが、各店舗で工賃も違ってくるので問い合わせてみるのが良いでしょう。

補充

冷却水は蒸発するので少しずつ減っていきます。しかし漏れがある時のように目に見えて減っていくことはありません。そこで、たまには冷却水の量を点検してオーバーヒートさせないことが重要になります。

冷却水の点検方法は、リザーバータンクを見ればわかります。冷却水は、ラジエーターから細いホースで繋がっているタンクで、ラジエーターキャップのあたりから出ている細いホースをたどっていくと見つけることができます。

冷却水を点検する際はエンジンが冷えている時に行います。エンジンを掛けた時に水温計の針がCの位置にある時、または青色の水温が低い事を示すランプが点灯している時に行います。

リザーバータンクを確認して上の線と下の線の間に有れば問題ありません。もし下の線より少なければ補充をしましょう。しかしあまりにも汚れていれば交換がベストになります。

時期

冷却水を交換する時期は概ね2年に1回が良いと言われています。車検の時に一緒に交換してもらうのが良いでしょう。

冷却水の中には長期間交換不要のものがありますから、自分の車に使われている冷却水を調べてみましょう。

トヨタや日産はスーパーLLC、ホンダはウルトラeクーラント、三菱はダイヤクイーンと呼ばれるものが使われています。ボンネット裏のサービスステッカーを見ると、どのタイプの冷却水が使われているか記載があります。

スーパーLLCなどと呼ばれている冷却水は、トヨタ、日産、三菱は新車から7年、ホンダは10年交換不要で継ぎ足しも不要です。間違って混ぜてしまうと性能を落とします。

トヨタのプリウスは2つのリザーバータンクがあり、一つは通常のリザーバータンクでもう一つはインバーター用のリザーバータンクです。プリウスにはスーパーLLCが使われているので、自分でのメンテナンスは不要です。

ディーラーなど

最近の車には今までと違ったLLCが使われているので、ご自身でのメンテナンスはほとんど不要になります。

特にプリウスは冷却系統がエンジン用とモーター用に分かれているので、メンテナンスは難しくなります。冷却水をリザーバータンクで点検した時に明らかに減っているときは、ディーラーでの点検をしましょう。

スーパーLCCなどは、混ぜると性能が落ちてしまうのでディーラーであればその心配はほとんどありませんし、車検をディーラーにお願いしていれば買ってからのメンテナンスノートがあるので、交換時期もお任せで大丈夫です。

交換工賃

冷却水は車種によりその量は違いますが、冷却水自体がそれほど高い物ではないので車種ごとに冷却水の金額の差は出ないでしょう。LLC(冷却水)は概ね1,000円ほどで購入できます。

工賃は車種ごとに作業の難易度が違うので金額に開きが出てきます。相場としては3,000円から6,000円といったところなので、LLCと合わせると5,000円から8,000円ほどかかるでしょう。しかも通常作業だと1時間ほどかかるのを覚悟しないといけません。

スーパーLLCをネッツトヨタで交換すると軽自動車で4,200円、1,800㏄までは4,410円、2,500㏄までは4,880円で冷却水込みで交換してもらえます。しかも作業時間はたったの15分ですから、冷却水はディーラーで交換したほうがお得と言えるでしょう。(詳しくはお近くのディーラーでお問い合わせをしてください。)

冷却水の漏れの防止対策

車の外が妙に甘い匂いがしたり、駐車している車の下に色のついた水溜まりができているならば、冷却水の漏れで間違いないでしょう。冷却水の漏れは、ラジエーター本体、ラジエーターホース、ヒーターホース、ウォーターポンプで起こる事が多いです。

冷却水の漏れが発生していれば、漏れてる場所が白っぽくなっていたり、その周りに冷却水が付着しています。応急処置として冷却水漏れ止め剤が売られていますが、ほとんど効果がありません。それは思ったより大きな穴や亀裂の事が多いことと、最近のラジエーターがプラスチックなので相性が悪い事が原因です。

例えば、メーカー指定通りの使用方法で漏れ止め剤を注入したとしてもラジエーター内部はメーカーの想定とはかけ離れた汚れになっていることがあります。例としては、接着剤で破損した物を接着しようとしてもうまくつかない事があります。それと同じことが漏れ止め剤にも当てはまります。

冷却水が減る原因

冷却水が無くなるとエンジンがオーバーヒートを起こし最悪は車を壊してしまうので、冷却水が減る場合は対処しなければなりません。しかし自然蒸発で減る分もあるので明らかに減っていると感じる時に原因を探る必要があります。

冷却水が減る原因は、ラジエータ―、ゴム、パッキン、ホース、これらの部品が劣化した時や水路が錆で詰まった場合に冷却水が減る事があります。他にもエンジンブロックにウォータージャケットという水路があり、そこに穴が空いたりガスケットが抜けると冷却水は減っていきます。

冷却水が日を追うごとに減るのであれば、何処かに不具合がありますから、早めにディーラーや整備工場で点検を受けましょう。冷却水の減る原因を突き止めるには、それなりの技術と知識が無ければ発見は非常に難しいです。

冷却水のエア抜き方法

冷却水のエア抜きは冷却水を入れ替えた時に行います。冷却水は密閉した水路を循環しており、高圧をかけて沸点を高めています。しかし空気が混入していると1気圧のままで、沸点があがらず100℃で沸騰してオーバーヒートしてしまいます。

エア抜きは国産車ではラジエーターキャップがあるのでそこからエア抜きしますが外車はラジエーターキャップが無いのでエア抜き方法が異なります。そこでそれぞれのエア抜きの方法をご説明します。

国産車

ラジエーターキャップを外して、ヒータースイッチを最大にしてからエンジンをかけます。オートエアコンの場合は、エンジンを始動してから温度を最大にします。

暫くするとラジエーター内の冷却水が減ってきまっすのでつぎ足しながらサーモスタットが開き、電動ファンが回るまでエンジンをかけたままにします。この作業をエンジン回転を上げてもラジエーターの口から泡が出なくなるまで行います。

車によっては、細かい泡がいつまでもで続ける車種もありますが、電動ファンが作動していれば自然に出ていきますから問題ありません。

車種によってはエア抜きのバルブが付いている車種がありますので、その場合はエア抜きバルブをゆるめて作業します。

外車など

外車などはラジエーターキャップが無い車種があります。その場合はエキスパンションタンクから行います。エキスパンションタンクはリザーバータンクと違い、ラジエーターキャップと同じ働きをする特殊な構造となっています。

エア抜き方法は、タンクに新しい冷却水を注いでからキャップをしっかりと締めます。エンジンを始動して内圧がかかるとタンクにエアが排出されて冷却水がグングンと少なくなります。そこでいったんエンジンを止めてタンクのキャップを外して冷却水を補充します。エンジンを始動してこの作業を繰り返すと冷却水が減らなくなります。

エキスパンションタンクは高い位置に設置されているので、エアが集まる仕組みになっています。エンジンをかけっぱなしにしてサーモスタットが開きファンが回ったらエンジンを切り、冷えてエキスパンションタンクの内圧が下がるのを待ってから既定量まで冷却水をいれて終了です。

冷却水の色の種類

冷却水の色は何種類かありますが、その色の違いについてご紹介していきます。

赤系の冷却水はトヨタ系のクーラントです。この他にもダイハツも同じ赤系を使っていますが新車時は薄い赤い色をしています。スーパーLLCはピンク色をしており普通のLLCと見分けが付けられるようになっています。

古くなって茶色っぽくなると交換時期ですが、赤色はその見分けがつかないことから他の色に入れ替えるユーザーも多くいます。

緑色の冷却水はトヨタ系以外のメーカーが採用しています。漏れの発見に優れており、汚れも判別しやすいでしょう。

赤も緑も成分は一緒で、真水に対してクーラントであるという判別のために着色をしてあります。赤いクーラントにこの緑を混ぜると汚れているのか判別不可能になりますので、色を混ぜて使用する事はやめましょう。

最近増えてきた青い冷却水ですが、成分は赤や緑と同じです。ホンダのeクーラントが青色を使っており、11年20万キロ無交換です。アフターパーツでも青色のクーラントも多く出回るようになりましたが、ほとんどが、4年10万キロとホンダ純正より劣ります。

冷却水の警告灯が付く理由

冷却水の警告灯が付くときは冷却水が減少している時です。通常はリザーバータンクの冷却水が減る程度で警告灯がつくことはありません。しかし冷却水の警告灯が点灯するとかなりの冷却水が失われているので、早急に対処しないとオーバーヒートになる恐れがあります。

冷却水の警告灯が点灯したら、すぐに安全な場所に停車してエンジンを切ります。ボンネットを開けて冷却水の漏れがないか確認をします。甘い匂いや車の下に冷却水が漏れていたらすぐに整備工場に連絡しましょう。

漏れている個所がわからないときや、ごく微量の時はペットボトルに水を入れて継ぎ足しながら様子を見つつ、整備工場に向かっても良いでしょう。

冷却水の適正な温度

車のエンジンは使えば使うほど熱を発してきます。それを冷却水でエンジンを冷やしながら走行していますが、エンジンが熱くなれば冷却水の温度は上がるので、外気温で冷やして冷却水の温度を下げてエンジンに循環させています。

冷却水の温度は、70℃から90℃が適正温度となっていますが、最近の車には水温計が搭載されておらず、冷えていて温度が低いと青いランプが点灯し、逆に高くなりすぎると赤いランプが点灯または点滅する仕組みになっています。

DIYで冷却水交換方法

冷却水を自分で交換する方法は特に特殊工具もいらないので知識さえあれば簡単にできます。ただし、冷却水の主成分のエチレングリコールは人体に有害ですからそのまま垂れ流しは法的にも罰せられます。

処理にはガソリンスタンドに引き取ってもらうか、固形にして可燃物として処分する方法があります。ただし引き取ってもらえるかは、店舗によって拒否される事があるので確認をしましょう。

冷却水排出

冷却水を排出させるには、ラジエーターの下についているドレンコックを外すと冷却水が出てきます。この時にラジエーターキャップを開けていると勢いよく出てくるので、受けの入れ物を微調整しながら、静かにドレンコックを緩めます。冷却水が出なくなったらいったんコックを締めます。

車種によっては、車の下についているアンダーガードカバーを外さなければドレンコックを緩めることができないので、ラチェットレンチがあると便利でしょう。ほとんどのボルトは10㎜でアンダーガードカバーを数か所で留めています。

冷却水通路洗浄

冷却水はこのままでは全量抜き取る事はできないので、ドレンコックから冷却水が排出されなくなったらいったんコックを締めてラジエーターの口から水道水を注ぎエンジンを始動します。サーモスタットが開くとエンジン内の冷却水が出てきますから、再度コックを開けて排出させます。

何回か行えば、冷却水の通路の洗浄にもなります。ヒーターホース内の冷却水も排出させるので、ヒーターの温度を上げるのを忘れないようにしましょう。

リザーバータンクは取り外して中をしっかりと洗浄いします。意外にヘドロ状のものがこびりついているので、ブラシを使って中を綺麗に洗うと良いでしょう。

冷却通路の洗浄は2,3回行えばほとんどの場合綺麗になって来るでしょう。しかし長年交換していない車種は、赤さびのような冷却水がいつまでも出てくるので、薄くなるまで続けます。

冷却水濃度

クーラントを抜き取り洗浄が終わればいよいよ新しいクーラントを入れていきます。この時に冷却水の濃度に注意しましょう。

最近の冷却水(LLC)はそのまま使えるものも出回っていますのでそれを使っても良いですが、できれば自分で適正な濃度にして使ったほうが良いでしょう。この場合は濃度計が必要になります。

LLCは濃度が低ければ冷却能力があり濃度が濃くなると冷却能力が衰えます。しかし寒冷地で濃度を低くしすぎると凍結の恐れがあるのでやみくもに濃度を下げる訳にも行きません。

そこで温暖な地域では濃度を30%程度にして寒冷地では50%を目安にすると良いでしょう。濃度は60%が上限と言われており、濃度が高すぎると今度は凍結しやすくなる性質を持っています。また金属保護の面からも高い濃度は良くありません。

下の表はLLCの濃度の凍結温度の目安です。

LLC濃度凍結温度
30%-15℃
35%-20℃
40% -24℃
45%‐28℃
50%-36℃
55%-41℃
60%-54℃

冷却水充填

LLC を注ぎ入れるにはオイル用のジョッキが便利です。もちろん新しい物を購入して冷却水用として使ってください。

LLCの濃度を設定するにもエンジンオイル用のジョッキでしたら、メモリがあるので楽に作ることができます。

LLCをジョッキに入れてラジエーターの口からゆっくり注ぎ入れてください。せっかちになり過ぎると溢れてしまいます。ラジエーターに冷却水が満タンになったら蓋をせずにエンジンを始動させてエアー抜きに入ります。

エア抜き必要性

エアー抜きをする場合ヒータースイッチがある車両はHOTの位置にダイヤルを合わせてください。また、オートエアコンの車は設定温度を一番高くしてあげます。そうすることでヒーターホース内まで入り込んだエアーを抜くことができます。

エアー抜き十分に行わない場合、水路に入った空気が膨張して冷却水をリザーバータンクに押し出します。エンジンを切って冷えてくると空気が収縮してリザーバータンクから冷却水を吸いますが、この時にリザーバータンク内に入っている量が少ないと空気を吸ってしまい最後はラジエーター内の冷却水の量が少なくなります。

確実にエアー抜きができないとオーバーヒートしてしまうので、冷却水をラジエーターの口から入れてからが重要になります。

エアーが抜けいらないとき

エアー抜きが問題なくできていれば、リザーバータンク内の冷却水の量は既定量で問題ありません。しかしエアーが残っている可能性が捨てきれないときはリザーバータンクに多めに冷却水を入れておきます。

エアー抜きの後、暫くの間は冷却水が既定量入っているか確認をする必要があるでしょう。少しのエアーが噛んでいるだけなら自然に抜けますが、同時に冷却水も減る事を忘れないようにして下さい。

硬水と軟水

冷却水の補充として水道水を使うだけでしたら大丈夫でしょう。しかし全て抜き取り水道水だけにすると、冬季に凍結しますし防錆剤が入っていないので通路に錆が出やすくなります。

LLCに水道水をいれて適正な濃度にしてあげることが重要になります。ただし水も硬水は使わないようにしましょう。硬水に含まれるミネラルやマグネシウムが結晶化してラジエーター内を塞いでしまいます。くれぐれもコンビニで硬水を買って補充しないようにしてください。日本の水道は軟水なので問題ありません。

運行前点検をしましょう

今回は冷却水の交換方法やその他メンテナンスについて解説してきました。冷却水は車にとって非常に重要な役目を担っています。最近の車はメンテナンスフリーのような風潮がありますが決してそうではありません。車が機械である以上不調が訪れます。

常日頃、車のボンネットを開けたことが無ければ、一度ラジエーターのリザーバータンクを探すことから始めてはいかがでしょうか。車内に甘い匂いがしたり、車の下に水が出ていても何もわからないようでは車を壊してしまうだけです。日常点検をして楽しいカーライフを送りましょう。

初回公開日:2018年01月11日

記載されている内容は2018年01月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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