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三菱燃費不正問題とは|補償など・車種別燃費情報紹介

更新日:2024年02月05日

三菱自動車による燃費不正問題についてまとめました。燃費データを不正に改ざんするなどの行為が発覚し、三菱は危機的状況に陥りました。この一件の背景には何があったのか、今後三菱はどうなるのかなど、特にユーザーには気になる点をご紹介していますので、ぜひご覧ください。

三菱燃費不正問題とは|補償など・車種別燃費情報紹介

三菱燃費不正問題とは

2016年4月20日、三菱自動車より販売している軽自動車4車種の燃費データが、不正に改ざんし、実際よりも低燃費に偽装されたものであるという、ユーザーとしては黙って見過ごせない事実が、三菱自動車より記者会見で公表されました。その後、2016年時点より過去10年間で発売した全29車種で、燃費データ改ざんなどの不正が行われたことが明らかになりました。

ここでは、三菱燃費不正問題についてなぜ発生したのか、この一件に対するユーザーへの補償はどうなっているのかなどをまとめ、三菱自動車の未来はどうなるのかなどをご紹介します。

燃費データ改ざんはなぜ起きたのか?

当初、燃費データ不正改ざんがあったと発表されたのは、三菱自動車より販売されている「eKワゴン」、「eKスペース」、日産自動車よりOEM販売されている「デイズ」、「デイズルークス」の4車種でした。記者会見発表では、計15万7千台が販売されていました。

まず、改ざんが発覚した経緯は、三菱自動車に軽自動車生産を委託していた日産自動車が、自社にて独自に軽自動車を開発しようとするにあたり、デイズの燃費データを測定したところ、取得したデータと三菱自動車が発表していたデータに乖離があったことから検討し直し、そもそものデータがおかしいのではないか、と指摘したことで発覚しました。

その指摘を受けて調べたところ、燃費データを不正に改ざんしていた事実が明らかになり、記者会見後もさらに調べていくと、過去10年間に販売した全29車種でなんらかの燃費データ改ざんがあることが発覚するわけですが、三菱自動車はなぜそのような改ざんを行ったのでしょうか。

三菱自動車は、今回の燃費不正問題だけでなく、過去にも不祥事が明らかになり、経営危機を迎えたことがあります。そのようなことが次々と起こる理由として、企業全体の風通しの悪さが指摘されています。

今回の燃費不正問題もeKワゴン開発にあたり、燃費目標を当初28km/リットルから5回にわたり引き上げられ、最終29.2km/リットルまでハードルが上げられています。約4.3%の上乗せを開発期間の延長もなく実現しなければならないのは、途方もない無理難題です。

しかし、これを無理だと言えず「上から言われたことは絶対」という企業体質が、現場レベルでデータを改ざんさせたと言わざるを得ません。

三菱自動車のこれまでの不祥事

2000年7月にGDIエンジンのリコール隠しが発覚しました。発表当時、画期的な世界初の直噴エンジンとして発表し、低燃費、高出力を謳い文句に様々な車種にラインアップしていきましたが、後にエンジン内部にススがたまり、不調の原因になるという欠陥を隠していたことが発覚したものでした。

2002年1月に、三菱ふそうの大型トラックから、ハブボルトの欠陥によりタイヤが外れ、通行していた親子に直撃して死者を出しました。同年10月には、大型車のクラッチ欠陥による事故で運転手が亡くなっています。これらも、車両側の欠陥をユーザーの整備不良と主張し、欠陥を隠していました。

過去にこのような不祥事を繰り返し、その際に欠陥などを隠蔽することは、発覚した場合に会社存続の危機につながることはわかっていたでしょう。しかし、燃費データの不正改ざんを隠蔽し、結果発覚してしまい、三菱自動車は再び会社存続の危機にさらされました。

ユーザーへの補償はどうなったのか?

自動車の購入は高価な買い物です。いろいろな情報を検討して、最適な1台を選ぶのですが、検討するにあたり一番信用できるはずのメーカー発表の情報が虚偽でしたとなれば、それは、メーカーに補償してもらう必要があります。今回の燃費不正問題で、三菱自動車はユーザーに対し、不正の対象となった車種別に3万円から10万円の補償金を支払うことを決定しました。

この補償金でユーザーは、燃費偽装分のガソリン代の差額分、今後の車検でエコカー減税ランク降格に伴う税金の増額分をまかなう形になります。中古買取価格の下落も想定されるため、果たして十分な金額といえるのかは、ユーザー個人の心情もあるため一概には言えません。

しかし、この補償金だけで三菱自動車は、総額650億円以上の支払いとなります。データ不正改ざんの代償としては相当な損失です。

三菱の車種別燃費はどの程度?

自動車の維持費の中で、大きく占める部分にガソリン代があります。そのため、自動車選びには、その車種の燃費がどの程度なのかは、重要な情報になってきます。そこで三菱自動車の燃費はどの程度なのか、車種別に見ていきます。

アイ

5ドア、4名乗車可能でありながら、エンジンを後輪車軸側に搭載するミッドシップレイアウトを採用した画期的な軽乗用車です。直列3気筒ターボエンジンに4速ATを採用しており、当時の10-15モードでの燃費データが19.2km/リットルでした。現在は、新車販売は終了しており、派生の電気自動車アイ・ミーブのみが新車販売されています。

コルト

「まじめ、まじめ、まじめ、コルト」のキャッチコピーで話題となったコンパクトカーで、2002年6月から2013年1月まで、10年半製造・販売された息の長いモデルです。荷室を伸ばしたコルトプラスや、走行性能に特化したグレード、ラリーアートバージョンRなど幅広く展開された車です。1.3リッター、CVT車で当時の10-15モードでの燃費データが20.5km/リットルでした。

ミラージュ

今回の燃費不正問題において、補償対象となった車種のひとつになります。補償金は6万円です。その後、マイナーチェンジを経て、エクステリアが従来よりメッキパーツを多用し、洗練されたものになりました。現行モデルはJC08モードで23.8km/リットルです。

燃費不正が明らかになる前のモデルでは、当時のクラストップレベル、JC08モードで27.2km/リットルを標榜していましたので、表示の上では12.5%燃費が悪化したことになります。

ミニカ

1988年に初代モデルが販売され、2011年まで20年以上、モデルチェンジを繰り返し、ミニカトッポなどの派生車も多いモデルです。最終型はJC08モードで20.5km/リットルでした。オーソドックスな軽ハッチバック車で、バンタイプもラインアップしていました。

パジェロミニ

三菱自動車を代表するSUV、パジェロの名を関する軽クロスカントリー車です。ライトユーザー向けの2WD、ATモデルからヘビーデューティー向けの4WD、MTモデルまで幅広いラインアップを誇っていたモデルで、平成10年から平成25年までの約15年間、高いを得ていたモデルです。最終型(4WDターボモデル)はJC08モードで13.8km/リットルでした。

ミニキャブ

三菱自動車における商用軽貨物車がミニキャブになります。軽トラックのミニキャブトラック、軽1BOXバンのミニキャブバンの他、電気自動車のミニキャブ・ミーブも販売されています。ミニキャブ・ミーブトラックは燃費不正問題の補償対象車で、補償金は3万円です。燃費は現在ではJC08モードで19.8km/リットルです。

eKスポーツ

三菱自動車が販売する軽自動車のスタンダードモデル「eK」シリーズにおいて先代にあたる2代目までに展開されていた、スポーティなモデルです。スポーティなエアロパーツを装備したエクステリアに、上位グレードにはターボを搭載するなど、差別化が図られていました。燃費はJC08モードで19.6km/リットルでした。

エアトレック

三菱自動車より発売された、次世代クロスオーバーSUVで、後のアウトランダーにつながるモデルです。販売時期は2001年から2005年までの約4年間と決して息の長いとは言えないモデルですが、ランサーエボリューションとエンジンを共有するグレードもラインアップするなどの意欲作でした。燃費は当時の10-15モードで11.0km/リットルでした。

タウンボックス

タウンボックスはミニキャブバンの乗用車モデルという位置づけになる車種です。4WDモデルもラインアップしており、アウトドアにも活躍できる軽自動車です。燃費はJC08モードで16.2km/リットルです。

ローザ

ローザは三菱ふそうトラック・バスにて販売されているバスです。一般ユーザーが購入するような車ではないですが取り上げてみました。燃費に関してはサイズが様々ですが、カタログでは重量車モードと呼ばれる計測方法にて、3.5t~6tサイズだと9.7km/リットル、6t~8tサイズだと7.4km/リットルです。エンジン自体はディーゼル車になりますので、燃料は軽油使用です。

デリカスペースギア

三菱自動車で販売されるミニバンがデリカになります。他の自動車メーカーに比べアウトドア向けなモデルで、現行モデルはデリカD:5と呼ばれています。D:5は燃費不正問題の補償対象車で、補償金は6万円です。D:5の前のモデルがスペースギアです。

1994年から2007年までの約14年間販売された大変のモデルでした。燃費は当時の10-15モードで、ディーゼルでも8.2km/リットルとかなりの高燃費車でした。

三菱自動車は果たしてこの危機から復活できるのか?

今回の燃費不正問題で、三菱自動車はあまりにも大きな損害を被ることになりました。当初は、三菱自動車存続の危機とまで報道されていましたが、現在は日産自動車傘下で販売を続けています。

販売状況次第では、今後どうなるかは引き続き不透明な部分もありますが、パジェロやランサーエボリューションなど、個性的で魅力あふれる自動車を開発、販売してきた自動車会社です。今後の三菱自動車復活を期待しましょう。

初回公開日:2017年09月13日

記載されている内容は2017年09月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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