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フェンダーの爪折りのやり方とDIY方法|爪折り機/工賃

更新日:2023年12月08日

フェンダーの爪折は、車高を落としてツライチにした場合フェンダーとタイヤが干渉するのを防ぐために行う加工ですが、フェンダーの爪折は、基本を押さえて行うことで自分でもできます。どんな道具を使い、どう加工するかご紹介していきます。

フェンダーの爪折りのやり方とDIY方法|爪折り機/工賃

フェンダーの爪折りのDIY方法

フェンダーの爪折りとは、車高を落としてタイヤホイールをツライチにした時、タイヤとフェンダーが干渉します。そこでフェンダーの爪を折り曲げる事で、フェンダーとタイヤが干渉しないようにする加工の事です。

フェンダーの爪折りは、業者にお願いすれば高額な工賃となるので、DIYすれば相当なコストダウンになります。フェンダーの爪部分を折るだけなので簡単に思われますが、何も知らずにいきなり爪を折ると大失敗となります。

適切な道具とノウハウがあれば意外に簡単に爪折はできます。道具も専用工具から身近にあるものを使って爪折する方法があり、アイディア次第で専用工具が無くても爪折することができます。

フェンダーの爪折り機の選び方

最近では、爪折り機をネット通販で簡単に手に入れることができます。また、爪折り機をレンタルしている業者もあるので、自分の用途に合わせて買うかレンタルするか決めればよいでしょう。

爪折り機を選ぶときは必ずヒートガンとセット品を購入するか、またはレンタルするとよいでしょう。ヒートガンは、フェンダーの爪を折る際に塗膜を熱で柔らかくするために必要になります。ヘアドライヤーでは熱量が小さいのでお勧めしません。概ね70℃程度まで塗膜を加熱する必要があります。

フェンダー爪折り機を購入する場合、金額も数千円から数万円まであるので、個人で購入する場合はヒートガンセットで10,000円前後の商品がよいでしょう。

フェンダーの爪折りの工賃・料金・値段

フェンダーの爪折を施工する業者は、タイヤ販売店、自動車板金工場が主な業者となるでしょう。両業者も必ずしも施工するとは限らないので、確認をする必要はあります。

フェンダーの爪折りにかかる料金ですが、タイヤ販売店は1か所5,000円~が相場です。板金工場では、国産車から高級輸入車までフェンダー爪折を行う業者もあり、その金額は1か所10,000円~16,000円が主流となつています。

タイヤ販売店では、フェンダー爪折り機を使っての施工が主流ですが、板金業者は熟練工の手作業でクオリティーの高い仕上がりとなります。施工方法による仕上がりの差が金額の差になっていると考えてよいでしょう。しかし、フェンダー爪折り機だからと言って、仕上がりが汚いわけではなく、普通に見て問題ないレベルの仕上がりになります。

フェンダーの爪折りは車検通る?

フェンダーの爪折りは、車検には関係ありません。フェンダーの爪が折れているからと言って、車の車検証にある車のボディーサイズに変化が生じる事ではないので、構造変更の必要も心配ありません。

フェンダーの爪折りにハンマー

ハンマーを使ってフェンダーの爪折りをする場合、鉄のハンマーでフェンダーの爪を叩くとあっという間に塗装が割れてしまいます。ヒートガンで温めたとしても、普通の方がハンマーを使って叩くとハンマーがぶれてしまうので、ハンマーの角でフェンダーの爪を叩いてしまい、そこの塗装が割れてしまいます。

そこでハンマーを選ぶ際に重要なのは、打撃面がソフトなタイプを選ぶのが良いでしょう。中でもゴムハンマーは強く打撃を与えても傷がつきにくいのですが、その反面手ごたえが鈍感なことでしょう。

フェンダーの爪折りにパイプ

パイプを使ってフェンダーの爪折りをする場合、タイヤを支点に「てこの原理」で爪折りを行います。余り短い物だと、作業しづらいので少し長めがよいでしょう。

おススメのパイプは、単管パイプが手に入りやすく、また安価なので便利です。

フェンダーの爪折りのやり方

フェンダーの爪折り方法を、道具別に説明します。いずれの方法も、なるべわかりやすく説明していますが、読んで自分できそうな方法を選びましょう。

フェンダーを爪折りする場合、フロントフェンダーとリアフェンダーとでは作りが違います。フロントフェンダーは一枚の鉄板を折り曲げればよいですが、リアフェンダーはスポット溶接で2枚組となっているので、2枚の鉄板を折り曲げなくてはなりません。難易度はリアフェンダーの方が高いので、まずは、フロントフェンダーでコツをつかんでからリアフェンダーを始めるのが良いでしょう。

フェンダー爪折り機

フェンダー爪折り機を使用する場合、タイヤを外す必要があります。ジャッキアップをしたら安全のため、リジットラック(馬)を使いましょう。

タイヤを外したら爪折り機をハブに取り付けます。取り付けの際ホイールナットで締め付けますが、手できつく締めるだけで大丈夫です。

A 写真の赤い丸のハンドルは、フェンダーとハブの距離を調整するハンドルです。

B 黄色いダイヤルは、ローラーとハブまでの距離の調整です。

フェンダー爪折り機操作方法と準備

① 最初にフェンダーとハブの距離を調整ハンドルを回して、爪の部分とローラーが当たるか当たらない位置までアジャストします。この時に調整する基準の場所は、フェンダーの頂点、フェンダーアーチの真ん中の位置で行ってください。

② 次に黄色いダイヤルを回してローラーの中央がフェンダーの爪に当たる場所まで爪折り機を伸縮させてください。

③赤いハンドルを回して爪にローラーを押し付けてください。こ時、あまり強く押しつけないようにしましょう。最初から強く押し付けるとうまく爪折ができません。最悪は塗装が割れてしまいますので注意が必要です。

爪折り機で折り曲げる

①ヒートガンでフェンダーの爪と、爪の折り返し部分を温めます。この時に手で触って熱いと感じるまで温めてください。暖め過ぎは塗装の焼けにつながるので、一点にヒートガンを当てずにたえず動かしながら温めてください。


②手で爪折り機を持ってヒートガンで温めた場所をローラーで爪を折っていきます。この時に爪の折れ方を見ながら、そして手で触ってフェンダーが触れる状態まで温度が低下したらヒートガンで温める。この繰り返しをしながら折り曲げていきます。ローラーの抵抗が無くなったら、赤いハンドルを少し回して折れ角を付けていきます。

作業の注意点とコツ

希望の爪折りの角度がついたら終了です。完全に2つ折りの状態にすると、フェンダーを外から押したときに鉄板がペコペコしてしまい、最悪はフェンダーが波打ちを起こします。ある程度折り曲げたら終わりにしましょう。

爪折り機をつかぅたコツは、初めからきつく赤いハンドルを締めるのではなく、すこしずつ締めて爪折の角度をつけていきます。何回もヒートガンで温めることを繰り返すので、プロでも1か所1時間ほど時間をかける事もあります。慌てずに行う事が失敗をしないコツです。

ハンマー

ハンマーを使って爪折をするには技術が必要になります。強い衝撃を与えれば簡単にフェンダーの爪の折り返し部分の塗装が割れてしまうからです。また、叩く位置が一定にできないと、思わぬ場所に打撃を与えて、フェンダーに損傷を与える可能性があります。

失敗を避けるためには、当て木などを使って直接フェンダーをハンマーで叩かない方法をとるほうが良いでしょう。ハンマーを使って直接叩く場合は、最後の調整の時だけにとどめるのがコツです。ゴムハンマーが無い場合は、椅子の足に使われる傷防止のゴムをハンマーにかぶせると傷防止になります。

爪を曲げるには、塗装を必ずヒートガンで温めてから作業します。打撃を行う場所を広く温めて、触ると熱いと感じる程度まで加熱します。

叩くときは、一気に打撃を加えるのではなく、少しずつ様子を見ながら打撃を加えていきます。

ハンマーと併用すると便利な道具

フロントフェンダーの爪を曲げる際は、鉄板が柔らかいのでこの「つかみ」が役に立ちます。

フェンダーを良く温めてから掴んで折り曲げていきますが、ゆっくりと折り曲げましょう。素早く曲げると塗装が割れてしまいます。美味く曲げられないときは、掴んでハンマーで打撃を加えて曲げていくと良いでしょう。

リアフェンダーの爪は固いので、掴んでハンマーで叩きながら曲げていきます。叩く場所は直接フェンダーではなく、「つかみ」でつかんだ部分に打撃を加えていきます。しっかりつかんでいないとずれて傷がつきますから、注意してください。

使い方は少しコツが要りますが、慣れてしまえば使い方の幅が広がります。

パイプ

爪折りをパイプで行うには、タイヤを支点にして「てこの原理」で曲げていきます。フェンダーを良く温め、手で触ると熱いと感じてから作業します。フェンダーの頂点から曲げ始め、左右均等に移動しながら、曲げていきます。1mmづつ曲げていく感覚で曲げていくと失敗しないでしょう。

車をジャッキアップをしてタイヤとフェンダーの間にパイプを挿入します。この時に傷防止にパイプにビニールテープなどを巻いておきます。フェンダーとタイヤの間にパイプが入ったら、少しジャッキを下ろします。この時、少しだけ降ろしてパイプが手で回る程度にして、パイプを転がしながらフェンダーの爪を曲げていきます。

よく、タイヤを支点にパイプを起こしてフェンダーの爪を曲げていく動画をみますが、これではフェンダーが膨らみ歪んでしまいます。綺麗に曲げるには無理やりパイプを起こさずに車の自重でパイプを挟みパイプを転がしながら爪折りをするのが安全です。ただし爪を曲げる角度の問題があるので、パイプとホイールの間にあて木を入れ調整しましょう。

フェンダーの爪折りに失敗した時の対処法

フェンダーの爪折りで失敗する一番多い事例は塗装の割れです。塗装が割れてしまったら再塗装しなければ元に戻りません。放っておけば雨水などが侵入して錆が発生します。

次に多いのはフェンダーの歪みでしょう。特にフロントフェンダーは1枚の鉄板をプレス加工されて作られていますから、無理な力を加えれば、簡単に形が変わってしまうでしょう。フェンダーが歪んでしまえば板金修理が必要になります。

フェンダー爪折で失敗してしまうと板金塗装のスキルが無ければ、きれいに直すことは不可能でしょう。塗装が割れてしまった応急処置としては、タッチペンで補修することです。フェンダーは、タイヤが巻き上げる泥水や雨水にさらされるので、割れたら直ぐに補修する事をすすめます。

フェンダー爪折は慌てずに

自分でフェンダーの爪折りをする際は、温める時も慎重に塗装を焼かないようにし、爪を折る時もゆっくり慌てず少しずつ爪の角度をつける事です。自信が無ければ業者にお願いするのが一番きれいに仕上がります。

ドレスアップを楽しむには、自分で行う醍醐味もありますが、失敗しない事が何よりも重要です。「焦りは禁物」と肝に銘じて作業しましょう。

初回公開日:2017年11月13日

記載されている内容は2017年11月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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